検疫所の業務(概要)

検疫所の業務は、2本の柱(法律)に基づいています。1つは、検疫法に基づく検疫・衛生業務(感染症法に基づく動物の輸入届出制度含む)です。「検疫法」に基づいて、海外からの帰国者・入国者に対する検疫や、感染症のまん延を防止するための空港や海港における衛生業務等を行っています。もう1つは、食品衛生法に基づく輸入食品等の監視・指導及び試験検査業務です。「食品衛生法」に基づいて、海外からの輸入食品等の監視・指導業務や、残留農薬や微生物などの試験検査業務を行っています。

検疫衛生課

(1)主な検疫衛生課の業務

検疫所は、検疫法に基づき、検疫感染症の国内侵入及びまん延を防止するため、海港や空港で海外から来航する全ての人、貨物及び船舶や航空機に対して検疫を行い、検疫感染症に感染している疑いがある場合には、必要に応じて検査を行います。その結果、検疫感染症の患者を発見・確認した場合には、必要に応じて隔離*1、停留*2、消毒等の防疫措置を行います。

*1 感染症の病原体保有者及び疑似症を呈している患者を、感染症指定医療機関等に入院を委託して行うこと

*2 感染症の病原体に感染したおそれのある者を、感染症指定医療機関等に入院の委託して行うこと

(2)船舶の検疫

船舶の検疫方法には、「臨船検疫」と「無線検疫」があり、「臨船検疫」は検疫法で規定された海域(検疫区域)に錨泊した船舶に検疫官が乗り込んで行う「錨地検疫」と、船舶を岸壁等に接岸させて検疫官が乗り込んで行う「着岸検疫」があります。「無線検疫」は乗船せずに船舶からの情報に基づき書面審査を行います。仙台検疫所で検疫を受ける船舶のほとんどは、「無線検疫」が適用されています。

(3)航空機の検疫

航空機の検疫方式には、検疫官が航空機に乗り込んで行う機内検疫と、検疫検査場における検疫があります。通常は、検疫検査場において検疫を行います。機内検疫は、検疫前の通報から有症者がいた場合に検疫官が必要性を判断し、必要な場合に行います。

(4)船舶の衛生検査

国際航行する船舶に対して、ねずみ・蚊等の媒介動物の有無、食品や飲料水の取扱い状況、各区域(居住区、調理室、貯蔵庫、医療施設、廃棄物、機関室など)の衛生管理状況等(公衆衛生上のリスク)について検査を行い、検査の結果、衛生管理状況が良好な場合は「船舶衛生管理免除証明書(SSCEC)」を交付します。公衆衛生上のリスクがある場合には、証拠報告様式(ERF)の添付や改善措置内容を記載した「船舶衛生管理証明書(SSCC)」を交付し、改善措置後、再検査を実施します。

(5)港湾衛生調査

ねずみ族は、その種類によりペスト、腎症候性出血熱、ハンタウイルス肺症候群等の病原体を、ねずみ族に寄生するノミ類はペストを、マダニ類はクリミア・コンゴ出血熱の病原体を媒介することがあります。これらのねずみ族等が船舶や航空機を介して国内への侵入・まん延することを防止するため、港湾区域、空港区域内において定期的な捕獲調査を行うことで、生息種や生息範囲等を把握するとともに、病原体の保有の有無の確認等で外来種や病原体の侵入を監視しています。

蚊族は、デング熱、マラリア、ジカウイルス感染症等の病原体を媒介することがあります。蚊族は、その種類によって異なる病原体を媒介することから、検疫所では、港湾区域、空港区域内で捕獲した蚊族の同定(種類の確認)、病原体保有検査、幼虫(ボウフラ)の発生源等の定期的な確認で、生息状況や周辺環境を含めた衛生状態を把握することで、船舶や航空機を介した国内への侵入を監視しています。

(6)海外感染症情報の提供

検疫の対象となる感染症を「検疫感染症」と呼びます。 検疫感染症には、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱 、南米出血熱、 ペスト、天然痘(痘そう)、新型インフルエンザ等感染症 及び政令(検疫法施行令)で定められた鳥インフルエンザA(H5N1)、鳥インフルエンザA(H7N9)、中東呼吸器症候群、デング熱、マラリア、チクングニア熱、ジカウイルス感染症があります。

(7)予防接種(黄熱)・健康相談

海外への渡航予定者に対して予防接種の相談を行っております。また、仙台検疫所仙台空港支所では予防接種の受付を行っております。予約できる予防接種の種類は、黄熱、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、マラリア予防薬です。

(8)動物の輸入届出の審査及び現場確認

仙台検疫所では、東北6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)における「動物の輸入届出制度」の届出に対応しています。また、必要に応じて、現場確認を行っています。

食品監視課

食品衛生法において、営業等で使用する食品、添加物、器具、容器包装及び乳幼児用のおもちゃを輸入しようとする場合には、輸入の都度、貨物を通関する場所を担当する検疫所の食品監視窓口に輸入届出を行う必要があります。

仙台検疫所では、食品監視課が宮城県(仙台空港検疫所支所の担当区域を除く。)、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県を担当し、仙台空港検疫所支所が仙台空港を担当しています。