海外感染症情報 (NO.81)
平成21年10月5日
関西空港検疫所
カメルーンにおける黄熱の流行状況について
  2009年9月8日カメルーン保健省は、黄熱サーベイランスを通して、検査で黄熱が確定された症例が発見されたと報告した。患者は南西州ブヤ保健地区Bomboko村Kotto   1出身で、それを受けて10月にブヤ、Mbongueの両地区で165,138人を対象に黄熱予防接種キャンペーンが予定されている。    
 患者は61歳の男性で、黄熱の予防接種歴はなく、2009年7月27日に発熱、黄疸、背部痛を初発症状として発症し、ブヤ保健地区の開業医を受診して臨床的に黄熱と診断された。 ヤウンデのパスツール研究所で実施された最初の検査で、患者が黄熱であろうと示唆されたが、WHO地域レファレンス研究所であるダカール・セネガルのパスツール研究所で確定され、他の出血熱に関する検査も陰性と確認された。  
 発生調査の間に、追加された疑い症例から51検体の血清が集められた。検体分析はヤウンデのパスツール研究所で行われている。カメルーンの他のいくつかの地域でも黄熱のアウトブレイクが発生したため、2009年5月、リスクの高い62地区で、国家黄熱予防・予防接種キャンペーンが行われた。ブヤ保健地区は、これまで黄熱が常時見られる地域としては知られていなかった。 今回のアウトブレイクに伴うキャンペーンによって、今後起こり得るであろうアウトブレイクから保護される地域が拡大される。
(平成21年10月1日 WHO情報)