海外感染症情報 (NO.98)
平成21年12月7日
関西空港検疫所
中央アフリカ共和国における黄熱の流行状況について
  2009年11月14日、中央アフリカ共和国保健省は、3例の死亡例を含め、4例の黄熱疑い患者を報告した。今回の症例は全て、定期的な黄熱サーベイランスで発見された。
 発見のきっかけとなった症例は畜産家の18歳男性で9月6日に発熱、頭痛、黄疸、出血傾向が出現した。Yalokeのヘルスセンターに入院したが、9月14日死亡している。翌日には、同様の症状を呈し死亡した2例が報告された。Banguiのパスツール国立研究所で3例とも黄熱であることが確認された。またダカールや、セネガルのパスツール地方研究所でも中和試験で黄熱病に対して特有の抗体が同定され、これらの症例は黄熱と確認された。    
 これらの症例は2009年前半にあったBasse Kotto県と Ombella Mpoko県で起こった2件の黄熱流行に続いて発生した。また、2008年には、Bozoum郡、Boda郡、BimodとBriac郡の4件で黄熱流行が報告され、これに対応して集団予防接種キャンペーンを行っている。
ヒトやヒト以外の霊長類と媒介動物に関する黄熱ウイルスの循環の評価が、黄熱パートナーシップ研究所の専門家グループによって、2009年に計画され、進行中である。12月上旬に黄熱発生地域の32万7877人に対して黄熱病に対する緊急集団予防接種計画を立てている。
 2008年以来の黄熱発生流行により、同国は更に黄熱のリスクが高くなったと考えられる。  
(平成21年12月1日 WHO情報)