海外感染症情報 (NO.8)
平成23年1月26日
関西空港検疫所
コートジボワールでの黄熱発生について
 

201113日、コートジボワール保健省は同国北部で黄熱が流行していることをWHOに通知しました。2011117日時点で、アビジャンのパスツール研究所でELISA(酵素抗体法)IgM陽性であった症例が計12例確認されており、後にWHOアフリカ地域レファレンスラボラトリーであるダカールのパスツール研究所にてELISAPRNT(プラーク減少中和試験)で黄熱であると確定診断されました。 これらの症例は、同国中央部にあるバンダマ渓谷州のベオウミ県とカティオラ県、同国北部のウォロドゥーグー州のセグエラ県とマンコノ県から報告されています。
 今回の黄熱発生を受けて、同国保健省はWHO支局の支援のもと、2011110日~15日にかけてベオウミ県とカティオラ県の調査を行いました。この調査期間中に25例の死亡を含む計64例の疑い症例が確認され、さらなる検査が行われています。
 122日、同国保健省はWHOUNICEFの支援を受けてベオウミ県・カティオラ県・マンコノ県・セグエラ県における生後9ヶ月以上の840,000人を対象に緊急のワクチンキャンペーンを開始しました。YF-ICG(黄熱ワクチン供給のための国際調整グループ)によって2010年の大規模な予防接種キャンペーンのために譲渡されたGAVI(ワクチン予防接種世界同盟)の備蓄ワクチンが使用される予定です。この4県は、政治状況により昨年は予防接種キャンペーンが行われていませんでした。

(平成23年1月25日 WHO情報)