記事日付 | 20090117 |
タイトル | 類鼻疽-オーストラリア:(ノーザンテリトリーNT) |
国名 | オーストラリア   |
感染症名 | 類鼻疽 |
概要 | 類鼻疽により2人が死亡した。 |
和文 | http://www.ntnews.com.au/article/2009/01/16/27465_ntnews.html 今シーズンの雨期に入り、the Northern Territory (NT)では類鼻疽により2人が死亡した。いずれも中年の男性と女性各1名である。患者の1人は、indigenous(原住民)であった。当局は、住民および旅行者らに対する注意喚起を行った。発熱、息切れ、腫脹、腹痛などの症状が見られる。乾期には土壌に被われている原因菌は、激しい降雨のあとの地表水や泥中に出現し、空気感染を起こす可能性があると専門家は説明している。雨期のあとに患者が増える傾向があり、過去にはサイクロン後に患者増加が見られた。今回の雨期開始以来、すでに10人の類鼻疽患者が発生し、うち2人が死亡した。the Top End をはじめて訪れる人は類鼻租に関する知識をもつ事が重要であり、住民も油断していないことを知るべきだと医師は述べている。手足の十分な保護なしに泥状の土壌に触れれば、健康な人でも類鼻租に感染する可能性があると説明されている。洪水の後始末では、さらに多くの人がこの細菌に暴露することになる。一部の患者では、感染後数日間で発熱、頭痛、けいれんと呼吸困難などを伴い重症化する。他の患者らでは、体重減少、発熱、皮膚の潰瘍、腫れ、胸痛や腹痛などが認められるという。高圧の放水によって飛沫感染をおこすことがあり、当局は、作業する際には、防水シューズか長靴や手袋を着用するよう呼びかけている。 [Mod.LL注-_Burkholderia pseudomallei_ (melioidosis) による感染症は、東南アジアとオーストラリア北部の限定された地域focal areasで地方病感染となっている。オーストラリアでは、Nightcliff gardeners' diseaseと呼ばれている (Nightcliffは、ダーウィンDarwin市(the Northern Territory of Australia)の北の郊外にあり、第二次世界大戦中にダーウィン防衛のためのRAAF [Royal Australian Air Force] campsがあった場所)。同菌は、category B biowarfare agent(生物兵器)とみなされている。主に、アルコール性疾患、低栄養状態、肝硬変、免疫不全などの基礎疾患のある人の感染症だが、報告のとおり、健康な人にも感染する。動物実験では、免疫不全の個体では、接種された菌量が多いほどより重症化する可能性がある。患者の臨床症状については触れられていないし、基礎にあるリスク因子もわからない。_B. pseudomallei_ の感染は不顕性となる場合もあるが、急速に進行する播種性病変は、皮膚、肝臓、脾臓などに発生する。急性もしくは慢性の肺炎の形をとる場合もある。後者では、暴露後数年が経過してから発症し、患者本人はすでに地方病感染のある地域にいないために、肺結核に酷似することがある。診断は、微生物学的あるいは血清学的(もしくは両方)によって可能である。] 地図 Australia showing the location of the Northern Territory http://www.staffordmall.com/media/australia-map.gif |
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