感染症速報詳細

記事日付 20090119
タイトル Clenbuterol中毒-メキシコ:疑い
国名 メキシコ    
感染症名 Clenbuterol中毒
概要 中毒発生のため、ウシのレバーの売買が禁止されている
和文 http://www.informador.com.mx/primera/2009/70827/6/confirman-brote-de-clembuterol-en-zapotlanejo.htm
The Ministry of Health Jalisco (SSJ)は、Zapotlanejo市でclenbuterolと確定診断された患者9人を報告し、ほか5人も確定診断される可能性がある。この集団発生があったのは12日のことで、Guadalajaraの病院を受診した患者らは治療により回復した。17日、これらの事例はZapotlanejoの"The Aztec"精肉店で発生したもので、同店は直ちに閉鎖されている。州内においては、引き続きclenbuterolに対する注意、すなわちウシの肝臓の売買禁止は続いている点が強調されている。2008年には、Tlajomulco de Zunigaにおいて21人の中毒が発生した。Clenbuterolは中毒性物質であり、(その牛肉を)摂取したヒトに重篤な障害をきたし、時に死に至ることもあるため、ウシの肥育に使用することは認められていない。
[Mod.TG注-Clenbuterolは、anabolic effects(代謝作用)をもつβ2アゴニスト薬である。脂肪を筋肉に変える代謝作用を持つといわれている。ウマの気管支拡張薬として、獣医学的使用が認められている薬剤である。ヒトでは、weight loss drug(やせ薬)として使用されている。動物に使用された薬物を含む肝臓や筋肉をヒトが摂取すると、心拍数増加、神経過敏、頭痛、筋肉のけいれん、めまい、吐き気、嘔吐、発熱、悪寒が見られることがあり、通常2-6時間以内に回復する。このようなヒトへの影響を理由に、米国や欧州では、家畜の尿及び組織検体のclenbuterol検査を積極的に行っている。都市部において、動物の追跡調査が行われていることから、メキシコ政府も、何らかのclenbuterolの検査システムを持っているのかも知れない。ちなみに、1998年、香港でも同様の事例が発生し、kgあたり1-24μgのclenbuterol を含んでいたブタの肺を食べた9人が発病している(19980505.0876)。]

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