記事日付 | 20090128 |
タイトル | マラリア-カンボジア、タイ:artemisinin耐性 |
国名 | カンボジア |
感染症名 | マラリア |
概要 | [2] ACTへの耐性化と対策 |
和文 | http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/IRIN/30feab4ce777395a275e02a1d30ed6fc.htm タイ-カンボジア国境一帯の致死性マラリアは、治療薬に対する抵抗性を増し、世界的なマラリア根絶への取り組みを脅かすこととなっていることが、新たな研究で明らかになった。Artemisinin combination therapy (ACT アルテミシニン併用療法)は、マラリア原虫を即効性に死滅させる薬と遅効性に死滅させる薬剤を服用する治療法であるが、治癒までの長い時間がを要する傾向にあり、その治療効果は減弱している。以前は24-36時間で原虫を死滅させていたが、現在のACTでは最大120時間かかっていると、WHOの担当者が述べた。ACTの2つの薬剤のうちの1剤である、artemisininに対するマラリア原虫の耐性は、ACTが無効となる前兆である。通常、医師はartemisininを、遅効性の薬剤とともに処方する。問題は、1970年代から指摘されていたartemisininの耐性resistanceだけではなく、むしろ2剤による最も進んだ治療法であるACTへの耐性toleranceが見られることにある。artemisinin単独療法を、WHOは推奨していない。米・カリフォルニア大学の専門家によると、artemisinin耐性は、単独療法や無制限の使用が横行した東南アジアの一部で発生したことが指摘されている。ACTの価格の1/10で、ACTの副作用である嘔吐が見られないことから、artemisinin単独療法は、今も多くの人々にとって最も一般的な治療法となっている。しかし、もし恐れていたことが起これば、耐性マラリアはこの地域全体に広がり、特に貧困集落に影響が出ると予測されている。プノンペンPhnom Penhのthe National Centre for Parasitology, Entomology and Malaria Control (see:<http://www.cnm.gov.kh/indexs.htm>)センター長は、耐性化jへの懸念はあるものの、ACTと援助と蚊帳などの予防具によって、2006年にはマラリア患者が10万人であったものが、2007年には59000人、2008年には54000人に減少していると説明した。マラリアによる致死率は、わずか2年で1/2となった(from 396 in 2006 to 241 in 2007 and 184 in 2008)。2008年10月の緊急会議において、WHOは、2009年に向けdihydroartemisinin-piperaquine(DHA-PIP) と呼ばれる、新たなACTへの変更を勧告した。カンボジアにおける新たなトライアル試験で、ほぼ100%の有効率を示した。2001年以降のこれまでのACT治療はartesunate mefloquineであり、現在も90%の有効性があるが、禁止にもかかわらず今も単独療法を行っているリスク集団では、あまり知られていない。農村部では、安価な偽薬の単独薬が売買されている。WHOは、蚊帳の配布、単独療法の厳格な禁止、WHO承認薬の即時採用を求めている。マラリアは、従来よりartemisinin耐性であったが、ACTに対する抵抗性が認められたのは、原虫の進化による新局面である。1970年代以降、タイ-カンボジア国境の複数のマラリア種が混在する東南アジア一帯からの鉱山採掘の移動労働者、無法となっている薬物市場、artemisinin単独療法の蔓延などの要因が、カンボジアで最も多い熱帯熱マラリア_Plasmodium falciparum_の薬剤耐性獲得を助長したとされている。カンボジア政府とWHOは、2001年にACTを承認し、単独療法を禁止した。しかし、マラリア原虫の90%以上に効果があるとされているにもかかわらず、ACTでさえもまもなく耐性化adaptedが認められるようになると見られている。常に、artemisininと新たな薬剤との合剤によるACTの開発に努めることが、優れた薬剤の優れた使用法と言うことになる。しかし、いずれ原虫の耐性はそれに追いつくことになるため、新たな薬剤の開発は、人類の健康にとって最重要課題であると述べた。偽薬や、治療スケジュールを守れない患者も、もう1つの要因である。もし、患者がきちんと服用しなければ、耐性を生むことになると女性省健康部長は述べた。2050年までに地球からマラリアを根絶できると考える、前出の加大の研究者は、薬剤耐性の問題があり、長い間耐性化の阻止に成功しなかったことを考えると、今こそ排除と対策強化への進んだ論議が必要だと主張する。手遅れや生半可な実施では、費用がかかる上に危険であると説明している。2008年のWHOによるマラリア報告http://www.who.int/malaria/wmr2008/ によれば、世界中の人口の半数に感染のリスクがあり、2006年におよそ2億4700万人の患者のうち,約100万人が死亡したとされている。アフリカの妊婦と小児が特に危険であると、WHOは述べている。 [Mod.MPP注-ACTの耐性/無効については、困った事態である。同時にマラリア感染による致死率の減少を伴った、最近の深刻なマラリア導入inroadsは、ACT耐性が増加するなら、脅威となるだろう。記事にもあるように、タイカンボジア国境における抗マラリア薬への耐性出現には前例があり、最初はクロロキン、のちに他の抗マラリア薬でも認められている。PRO/MBSにも数多くの偽薬の報告があり、耐性化出現の一因と思われる。(効果不十分な)artemisinin単独使用による単剤治療や、マラリアの確定診断のないままに発熱疾患にタイして抗マラリア薬が広く使用されるていることも他の要因となっている。最近の論文では、開発中のACTに対する耐性徴候が議論されている。2008年12月のNEJM誌へのレターで、カンボジアにおける、熱帯熱マラリアに対してartemisinin治療を受けた60人の患者についての研究が掲載されている。60人の患者の中で、4人が治療開始後21-28日目に寄生虫血症の再燃を見た。調査された3.3%に当たるこの4人のうち、2人はartemisinin耐性に分類された。...その他の多数の文献(URLあり)が紹介されています、原文参照願います。] |
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