感染症速報詳細

記事日付 20090129
タイトル 食中毒-タイ:(Sa Kaeo)、ヒスタミン、カイコ
国名 タイ    
感染症名 食中毒
概要 ヒスタミンを含むと見られるカイコのフライを食べた、およそ118人が発病し、60人が入院となった。
和文 http://health.asiaone.com/Health/News/Story/A1Story20090128-117714.html
有害物質のヒスタミンを含むと見られるカイコのフライを食べた、およそ118人が発病し、60人が入院となった。患者の多くは、顔面の腫れ、嘔吐、視力障害、口周囲のしびれ、脱力、発疹などの症状が見られたことが、公衆衛生省の疫学担当者が会議の中で明らかにした。[感染流行の発生時期は示されていないが、恐らく2008年のこと] Sa Kaeoにある、昆虫取引市場の中心地であるthe Rong-Klua marketから、silkwormカイコのサンプルを抽出し、食中毒に関する調査を行った。中国から昆虫を輸入する業者の1人が、カイコのフライを食べ発病し、カイコのサンプルを検査したところ、Rong-Klua marketのカイコのほとんどにヒスタミンが含まれていることが判明した。カイコの体内のヒスタミン濃度は、875mg/kgで、米国の食品監視当局によると、魚類では50mg/kg以上のヒスタミン濃度は許可されていない。昆虫にヒスタミンの汚染が見つかったのは今回が初めてである。
[Mod.LL注-食品由来のヒスタミンによる中毒は、不十分な冷蔵が行われた魚類のヒスチジンからできたヒスタミンを接種することによる、サバ科の魚類の食中毒で起きることが多い。典型的な症状は、顔面紅潮、発汗、発疹、口内異味症(焼けるあるいはピリピリ)、下痢、喉頭炎hives、腹部疝痛であり、通常は治療なしで数時間でおさまる。より重症化(呼吸障害、舌やのどの腫れ、視力障害)すると、抗ヒスタミン薬による治療が必要となることもある。カイコが、どのようにしてヒスタミンという爆弾になったかのメカニズムは、はっきり判らないが、2006年のベトナムからの報告http://www.thanhniennews.com/healthy/?catid=8&newsid=1395と同じことかも知れない:ベトナム・Thanh Hoa省の150人以上が、国内では一般的な食品であるsilkwormの食中毒を発症した。前週に露店で購入したものであると、現地専門家が説明した。保健当局は、カイコに混ぜられた化学保存料が原因である可能性があり、患者らには、頭痛、めまい、視力障害、腫脹、嘔吐などの症状が見られると話している。]
地図 Sa Kaeo province is in southeastern Thailand http://en.wikipedia.org/wiki/Sa_Kaeo_Province

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