感染症速報詳細

記事日付 20090130
タイトル テトロドトキシン中毒-日本:(山形)、フグ
国名 日本    
感染症名 テトロドトキシン中毒
概要 ふぐ中毒:客7人にしびれ 2人重体
和文 http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/national/news/20090127p2a00m0na012000c.html
[*オリジナルの日本語のサイト http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090127k0000m040166000c.html から]
26日、山形県鶴岡市の飲食店でふぐ料理を食べた客7人がしびれなどを訴え、市内の病院に運ばれた。うち2人が重体。県警鶴岡署は、ふぐ毒「テトロドトキシン」の食中毒の可能性が高いとみている。男性(68)が意識不明、男性(55)は瞳孔が拡大し意識が混濁している。残る61〜69歳の男性5人は軽症。店長は、ふぐ刺しや軽く火を通した白子などを出しており「ふぐ調理師免許は持っていない。生で出したのは初めて。食べたことはないが、うまいと聞いて出した」と話しているという。
[Mod.LL注-以下は、the "Bad Bug Book"<http://www.cfsan.fda.gov/~mow/chap39.html>からの引用である: Tetraodontiformes目の魚の食中毒は、海洋生物による最も激しい中毒である。フグpufferfishの性腺、肝、腸管、皮膚には、急速に死に至らしめるのに十分な量のテトロドトキシン Tetrodotoxin(TTX) が含まれる。多くのフグの身は、危険なほど有毒ではないことが多い。TTXは、多くの種の動物から検出されており、その中には、the California newt(イモリ), parrotfish, frogs of the genus _Atelopus_, the blue-ringed octopus(タコ), starfish(ヒトデ), angelfish(エンゼルフィッシュ), xanthid crabs(カニ)などがいる。TTXの原料(metabolic source)は不明である。 藻類の原料は確認されていない。最近まで、TTXは宿主の代謝産物と考えられていた。しかし最近になって、_Vibrionaceae_, _Pseudomonas sp._, and _Photobacterium phosphoreum_などの複数の種の細菌により、tetrodotoxin/anhydrotetrodotoxin が産生されることが報告され、この種のトキシンは細菌由来であるとの見方が有力である。これらの細菌は、海洋動物に関係する、海洋で比較的一般的な細菌であり、もし確認されれば、このような細菌とより直接的な因果関係にある中毒にとって、重要な知見となる可能性もある。中毒の初発症状は、唇や舌のわずかなしびれで、毒性のあるフグの摂食の20分から3時間後に発生する。次に顔や四肢の麻痺が進行し、体が軽くなって浮遊する感覚を伴うことがある。頭痛、胃痛、吐き気、下痢と嘔吐も見られる。しばしば、酩酊歩行や歩行困難が見られることも多い。中毒の第2段階では動くことができず、坐位も困難となる。呼吸障害が進行し、発語障害から、徐々に呼吸困難、チアノーゼ、低血圧を発症する。麻痺が進行し、けいれん・精神障害・不整脈も見られる。患者は、ほとんど完全麻痺であるにもかかわらず、意識は保たれており、死の直前まで完全覚醒の場合もある。死亡は、20分から8時間の間の、主に4-6時間以内に訪れる。]
写真1 image of puffer fish at: http://www.dundee.ac.uk/museum/zoology/bagful/2465A.JPG
写真2 Image of tetrodotoxin molecule http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/71/Tetrodotoxin-3D-balls.png

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