感染症速報詳細

記事日付 20090201
タイトル マールブルグ出血熱-米国:ウガンダから 2008
国名 米国    
感染症名 マールブルグ出血熱
概要 [1] マールブルグ出血熱、輸入例 米国2008
2008年1月にウガンダから帰国した米国人旅行者であるマールブルグ出血熱患者を、後ろ向きに診断した。米国への帰国4日後に発症し入院したが、完全に回復して退院した
和文 http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/spb/outbreaks/index.htm
22日、CDC's Special Pathogens Branch(特殊病原体部門)は、2008年1月にウガンダから帰国した米国人旅行者であるマールブルグ出血熱患者を、後ろ向きに診断した。この患者は、米国への帰国の4日後に発症し、入院したが、完全に回復して退院している。当初、1月の急性期に採取された検体の初期検査では、マールブルグウイルス感染の存在は確認されたなかった。回復期の検体検査では過去の感染の可能性が示唆され、CDCにおいて行われた両検体の詳細な検査の結果、患者の病態はマールブルグ出血によるものと結論づけられた。この回復した患者は、Maramagambo Forest(ウガンダ西部Queen Elizabeth Park)の"python cave(大蛇の穴)" を訪れていた。この洞窟は旅行者の間で、コウモリが棲む洞穴として有名な観光地であった:2008年7月にはこの穴を訪れたオランダ人旅行者が、マールブルグ出血熱により死亡している。いずれの患者も、洞窟内に住むマールブルグウイルスを保有していたと思われるfruit batsから感染した可能性が高い。マールブルグウイルスは、アフリカ熱帯地域に発生する人獣共通感染症の原因ウイルスで、ヒトや霊長類において、重症で時に死亡することもある出血熱が起きる。発症した患者およびその体液で汚染された物体との直接の接触から感染することもある。オランダ人の死亡例発生後、2008年8月にウガンダ保健省は洞窟への立ち入りを公式に禁止(閉鎖)した。現地保健当局は、CDCの協力を得て、患者の状況について詳しい調査を行っている。患者が発病した時点でリスクに曝露した可能性のあるヒトは全て評価され、また、、感染に曝露した可能性のあるアフリカの同ヶ所および他の洞窟への旅行者についても検討された。この患者発生による感染伝播の証拠は明らかではない。旅行者は、マールブルグ出血熱および狂犬病などコウモリに曝露によって生じる致死性疾患のリスクについて、熟知しなければならない。医療関係者も、風土病感染国から帰国した旅行者の、出血熱のリスクを知っておかなければならないし、疑われる症例は直ちに関係当局に報告を行う必要がある。

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