和文 |
20090201.0450のダニ媒介性脳炎に関するModeratoeのコメント中に、米国CDCの特殊病原体ウェブサイトにおいて、Russian spring-summer encephalitis virus(ロシア春夏脳炎)が、tick-borne encephalitis virus (TBEV ダニ媒介性脳炎)と区別されているとある。新しいウイルスの亜区分subdivisionは4つに分けるよう提言されているものの、現在採用されている区分(ICTVdB - The Universal Virus Database, version 3. <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/ICTVdb/ICTVdB/>) では、TBEVを2つのspeciesに分けることはせず、3 subtypes: European, Siberian, and Far Easternというリストになっている。この3つの subtypes別の致死率は、順に1-2 percent, 6-8 percent, and 20-60 percentで、重要な鑑別点となっている。特にthe Siberian subtypeでは、時に慢性感染症となる可能性もある。その名にそぐわず、3 subtypesはいずれもほとんどのthe TBEV endemic areasでともに感染循環している。が、現在はthe Siberian subtypeが、東欧からシベリア東部まである風土病感染地域の ほとんどで優位となっている。また、moderatorが述べた、感染した母体から胎児への垂直感染の可能性についても、最近、実験動物での垂直感染が広がっていることが示されつつある。節足動物のベクターとの接触のないT齧歯類で、5世代にわたりTBEVが検出された。このような感染伝播では、よりヒトに対する毒性の強いウイルスがほ乳類の中で淘汰・選択されることにつながりやすい。
|