感染症速報詳細

記事日付 20090205
タイトル チクングニア-日本:マレーシアから
国名 日本    
感染症名 チクングニア
概要 日本在住で、マレーシアを旅行したマレーシア人女性のチクングニア感染が確認された
和文 日本の神戸に3年間在住しているマレーシア人成人女性1名が、高熱、倦怠感、関節痛などのデング熱類似症状のため、2009年1月6日に受診した。この女性は、2008年12月19日から2009年1月3日までの間、(12月から2月までの雨期の)マレーシア(クアラルンプル Kuala Lumpur) を訪れたあと、1月5日に高熱と、両手足や足首を中心とした多発関節痛を発症した。同6日に行われた検査では、デング熱IgM 抗体 (PanBio Dengue), インフルエンザ抗原時迅速検査、チフス菌の血液培養はいずれも陰性であり、IgG-dengue fever抗体のみ陽性となった。東京の感染研に血清検体が送付され、PCR検査によりchikungunya virus (CHKV) RNAが陽性との結果が得られた。血清viral RNA は 6.7 x 10(7) copies/mlであった。 IgM antibody against CHKVは、6日の検査では陰性であったが、15日には陽性となった。IgM antibodies against dengue virus (DENV)はいずれでも陰性であった。DENV-IgG抗体はいずれも陽性であったため、過去の感染であることが示唆された。最高で40℃となった女性の発熱は、6日後に解熱;皮膚の掻痒のある発疹が6-10病日に四肢に出現し(消失し)たが、関節痛は持続している。配偶者と2人の幼児の他の家族には、日本への帰国後14日間に、発熱性疾患は認められていない。..日本では、報告義務はなく市販の検査キットもないため、医師により、限られた研究施設でのPCRアッセイによる診断のために、検体送付を手配する必要がある。...
[Mod.TY注-最新のマレーシアからのチクングニアウイルス感染報告は、2008年12月である(20081217.3963)。上記の報告によれば、感染流行が継続していることが示唆される。亜熱帯や温帯の地域であっても、能力のあるヒトスジシマカのようなベクターのいる地域であれば、感染した個人によりウイルスが持ち込まれて、イタリアで起きたような感染流行(20071210.3980)が発生する危険があるとの、重要な指摘がなされている。]

原文リンク