記事日付 | 20090217 |
タイトル | ムコール症-中国:(香港)、院内感染 |
国名 | 中国   |
感染症名 | ムコール症 |
概要 | 6才の白血病の小児が死亡し、その他に2人が発病している。 |
和文 | http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec17/ch197/ch197h.html 香港のある病院では、稀な真菌感染のアウトブレイクにより、6才の白血病の小児が死亡し、その他に2人が発病している。この6才の少年は、2008年11月に死亡した。生存している11才の少年は2009年1月に感染し、38才の男性は11日に発病が明らかになったと、病院広報担当者が声明の中で明らかにした。11才の少年と成人男性は治療を受けているが、症状は安定している。3人は全員白血病で、Queen Mary Hospitalの骨髄移植病棟にいたが、現在その病棟は閉鎖されている[違うレポートによると成人男性は48才で、死亡している]。病院によると、3人は真菌感染によって稀に起こる消化管ムコール症に罹っていた。...2人の生存者は、加工処理される前の食品を食べていたことが分かっており、これが今回のアウトブレイクの原因ではないかと考えられている。病院では、別の57才の死亡した男性患者も含め、その他の患者の感染についても調査されている。 [Mod.LL注-この真菌については、用語の使用に若干の議論がある。臨床家には、やや古く一般的なmucormycosis(ムコール菌症)が最もなじみがあるため、ここでも使われているものと思われる。しかし、mycologists 微生物学者の多くはzygomycosis(接合菌症)を好んで使用する。これは、zygomycosisのclass(網)には、the _Mucorales_ order(目)以外にも、同じ感染症の原因となる微生物が含まれているためである。このクラスの真菌は、ヒトの、特に免疫不全や糖尿病ケトーシスの患者では、様々な感染症を引き起こす。鼻眼脳を破壊し、血管を侵襲し組織の梗塞をおこす特徴を持つ、非常に予後の悪い肺感染症の原因となる。消化管への感染は多くない。この真菌は遍在し、腐敗する草本や土壌中で発見される。急速に成長し、空気感染をおこす芽胞を多数放出する。環境中に非常に多く存在するため、臨床微生物学の検査でしばしばcontaminationをおこす菌であり、日常生活でもふんだんにこの真菌を浴びている。ヒトでのzygomycosis感染がまれであるということは、健常なヒトの免疫システムの威力の表れである。ヒトの感染症で最もよく見られるのは、_Rhizopus_, _Mucor_, and _Cunninghamella_である。これらの患者では消化器が関係していることから、特定の食品が感染源としてあると仮定するのは妥当である。以前からあるmucormycosisの院内感染流行は、免疫不全のない患者の、汚染された伸縮性の接着被服材による皮膚感染症である。] |
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