感染症速報詳細

記事日付 20090220
タイトル 狂犬病ワクチン-中国:回収、情報提供依頼RFI
国名 中国    
感染症名 狂犬病ワクチン
概要 中国で、狂犬病の欠陥ワクチン32万接種分回収
和文 http://news.xinhuanet.com/english/2009-02/11/content_10803696.htm
当局の指示により、中国国内で、禁止されている成分を含む32万本以上の狂犬病ワクチンが回収されている。ヒトに使用される目的に製造された欠陥のあるワクチン36万本のうち、9日までに32万3千本が、製造者である中国北東部・遼寧省の Dalian(大連)Jingang-Andi Bio-products Co. Ltd社により回収されたと、省食品医薬品局から公表された。残りのワクチンは、使用されていなければ、回収まで保管されていると見られている。これまでにワクチン関連の健康被害の報告はない。当局は、2009年1月に行われたthe National Institute for the Control of Pharmaceutical and Biological Products (NICPBP)からの検査結果報告を受けるや否や、直ちに2008年製造の全ての狂犬病ワクチンの回収を指示したと述べた。同社製ワクチンに含まれていたのはnucleic acid(核酸)で、その安全性が確認されるまでは添加しないこととなっていた。 Nucleic acidは、抗ウイルス薬の有効性を向上させるために使用されるアジュバントの作用を有している。しかし、中国政府は今のところ、狂犬病ワクチンに関する使用を認めていない。動物実験ではワクチンの有効性向上が確認されているものの、ヒトへの使用の前に臨床試験を経なければならないと説明されている。同社のウェブサイトによれば、現在この狂犬病ワクチンは、中国市場での供給量の20%を占めている。...
[Mod.CP注-曝露前および曝露後接種において、幅広く狂犬病ワクチンが使用されることで、高力価のワクチンへの需要が高まっている。細胞培養によるワクチンの製造は、最終製品からの動物血清除去の必要性の問題があり、adjuvantsの添加は、ワクチンの力価を高める1つの方法である。報告では、不合格となったワクチンに含まれていたthe nucleic acidの種類については明らかにされていないが、単なる混入でないとすれば、取締り機関の認可を受けていないadjuvantだったと考えられる。例えば、中国国内でWangらは、不活化狂犬病ワクチンの強力なadjunantとして、a CpG oligodeoxynucleotideについての報告を行っている(Vaccine. 2008 Mar 28; 26(15): 1893-901;  http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18321616 )。彼らのデータ(マウスの動物実験)によると、the CpG oligodeoxynucleotideは、アルミニウムと同等もしくはそれ以上に狂犬病ワクチンの効力向上をもたらせる、期待のadjuvantとなる可能性があることが示唆されている。]

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