感染症速報詳細

記事日付 20090226
タイトル クレンブテロール汚染-中国:(広東省 GD)、豚肉
国名 中国    
感染症名 クレンブテロール汚染
概要 中国で汚染ブタ肉により70人発病
和文 http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7905717.stm
違法な飼料添加物に汚染された豚肉の摂食により、70人以上が発病したと、政府系メディアが伝えた。広東省の患者らは、胃痛や下痢を訴え治療を受けている。3人が今も入院中である。動物の脂肪を増やさない目的で使用されている、clenbuterolが問題となったブタの内臓に含まれていた。中国で最新の食中毒事件となった。豚肉は16日に週に、広東省の省都・広洲の市場から流通したもので、湖南省の農家で飼育されていた。Clenbuterolは、ヒトを死亡させる危険性があるため、食品添加物としての使用が禁止されている。喘息の治療に用いられるが、運動選手らにより筋肉増強のため違法に使用されてきた。安全のための対策実施が不十分な中、中国の食品流通にまたしても汚染された豚肉が混入するという事態が発生したと、上海の特派員は見ている。上海では2006年、同様の汚染のあった豚肉や内臓を食べた300人以上が発病している。..メラミン混入ミルクの件など...
[Mod.TG注-Clenbuterol がβ-2アドレナリン作用のある薬剤で、ある種の同化作用を示す。脂肪を筋肉に変換する代謝によるものと考えられる。ウマの気管拡張薬として、獣医学的使用が認められている。ヒトではやせ薬として使用されている。動物に対して使用され肝や筋肉に蓄積した薬剤をヒトが摂取した場合、心拍数増加、神経過敏、頭痛、筋痙攣、めまい、吐き気、嘔吐、発熱、悪寒などがおこるが、2-6日間で軽快する。このようなヒトへの影響を考慮し、米国および欧州では、家畜の尿や組織中のclenbuterolの監視を積極的に行っている。当局は3人を拘留するなど、この問題に関心を示してはいるが、この記事では、動物からヒトの食品流通への混入経路が明らかにされていない。ちなみに、1998年に香港で、1-24μg/kgのclenbuterolが含まれていたブタの肺を食べた9人の関係する同様の事例が発生している(19980505.0876)。]
地図 Guangdong and Hunan provinces in southern China http://www.lib.utexas.edu/maps/middle_east_and_asia/china_pol01.jp

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