感染症速報詳細

記事日付 20090315
タイトル マーレーバレー脳炎-オーストラリア:西オーストラリアWA州 (02)
国名 オーストラリア    
感染症名 マーレーバレー脳炎
概要 Mosquito-Borne Disease Risk Spreads To Pilbara Region
和文 http://www.emaxhealth.com/2/39/29809/mosquito-borne-disease-risk-spreads-pilbara-region.html
保健省は西オーストラリア北部の居住者および滞在者らに対し、蚊族媒介性ウイルスの感染の危険があるため、特に注意を怠らないよう、くり返し呼びかけている。The University of Western Australiaによるサーベイランスにより、the Pilbara region では今雨期としては初めて、まれであるが死亡する可能性もあるMurray Valley Encephalitis (MVE マーレーバレー脳炎)ウイルスの活動が確認された。ヒトでのより軽症の疾患の原因となる、近縁の蚊族媒介性ウイルスであるKunjin virusもまた、今雨期としては初めてthe Pilbara region で確認された。最近続いてたthe Kimberley各地でのMVEウイルス活動に加えて発生した、今回の新たな活動は、この数週間のWestern Australia北部の広い範囲の降雨による、ウイルス活動性増加の表れである。..."MVEの初期症状として、発熱、傾眠、頭痛、頚部硬直、嘔気、めまいなどがあり、これらの症状のある人は、直ちに医療機関を受診すべきであると、医療昆虫学者が説明した。重症例では、fit(けいれん?)昏睡に陥ることもあり、後遺症や死亡につながる可能性もある。幼児では、発熱だけが初期症状であることもある。不安であれば、特にうとうとして、ぐったりとし、刺激に過敏で、食欲が低下し、何となく機嫌が悪いといった場合には、保護者はこどもを受診させるべきである。the MVE virusの症状が出やすいのは、発生地域に新らしく来た人たちで、その中には、乳幼児、旅行者、新たな就労者などが含まれるが、上記の様な症状があるものは誰でもすぐに医療機関に相談してほしいと述べた。北部においては、他の蚊族媒介性ウイルスの雨期の活動も続いており、年初以来、the Kimberley and Pilbaraにおける 25例以上のRoss River and Barmah Forest virus感染が報告されている。いずれのウイルス感染にもワクチンや治療法はなく、蚊族の刺咬を避けることが最も大切であると言われている。特に、Kimberley and Pilbara全域の湿地や川の近くや降雨の被害を受けた地域に、居住・旅行・キャンプをする人々は、夕方から夜間に注意が必要である。しかし、州北部であれば、特に蚊族の多い場所はどこでも、ウイルスの活動に遭遇する可能性がある。...具体的な注意など。
[Mod.CP注-Murray Valley encephalitis virus (MVEV)はフラビウイルスの1種である。脳炎などの重症疾患の原因となる。Barmah Forest virus (BFV) は、1974年、the Murray River in northern Victoria近郊のthe Barmah Forestで採取された蚊族_Cx. annulirostris_ から初めて分離されたアルファウイルスの1種である。同時にsouthwest Queenslandの蚊族でも確認されている。他の多くの蚊族やthe Northern Territoryのブヨ_Culicoides marksi_からも見つかっている。発熱、関節痛、関節炎、発疹などの臨床症状を認める。不顕性感染率が高く、小児では感染率が低い。通常、数週間で回復するが、lethargy(感覚鈍麻)、関節痛、筋肉痛は6ヶ月以上続くこともある。Kunjin virus (KUNV)はフラビウイルスの1種で、 1060年にnorth Queenslandで採取された蚊族_Cx. annulirostris_で発見され、付近のthe Mitchell Riverで生活するアボリジニの一族の名前をとって命名された。West Nile virusに非常に近く、血清学的調査により、不顕性感染が非常に多いことが判っている。主な臨床像は2つで、軽症例と脳炎である。Ross River virus (RRV) はアルファウイルスの1種である。Ross River virus infection は、オーストラリアにおいて最も一般的で広範囲で見られるarboviral(アルボウイルス)疾患で、感染流行により数千人の感染者が発生することもある。年平均4800人の届出患者がある。1959年にタウンズビルTownsvilleのthe Ross River近郊の蚊族_Ochlerotatus vigilax_から初めて発見された。発熱の最大2週間前または後に発疹などの症状が見られ、多くの患者ではリウマチ症状も認められる一方、少数の患者は発疹のみである:リウマチの患者では、手首・膝・四肢の小関節から始まる関節炎と関節痛症状が見られる]
ファクトシート Australian Government Department of Health and Aging Factsheets onMurray Valley Encephalitis virus, Barmah Forest virus, Kunjin virus and Ross River virus  http://www.health.gov.au/internet/main/Publishing.nsf/Content/health-arbovirus-pdf-fsmurrayvalley.htm
地図 Western Australia showing the Kimberley region in the north and the Pilbara further south http://www.ozhorizons.com.au/wa/map.htm

原文リンク