感染症速報詳細

記事日付 20090326
タイトル Murray Valley encephalitis-オーストラリア:(04): (ノーザンテリトリーNT) 死亡
国名 オーストラリア    
感染症名 MurrayValleyencephalitis
概要 [1] Mosquito bite claims life(蚊族の刺咬による死亡発生)
患者家族は当局に対して、市民への啓蒙を訴えている
和文 http://www.abc.net.au/news/stories/2009/03/23/2523407.htm
Murray Valley encephalitis(マーレーバレー脳炎)で死亡した[Northern] Territoryの患者の家族は、一般市民がこの蚊族媒介性疾患についての知識が十分でないことに不安を覚えると述べた。この58才の男性は、住居と就業の場所であったDarwin's rural areaで感染し、brain failure(脳障害)により死亡した。この男性の家族によると、3週間前にRoyal Darwin Hospitalに入院し、20日に死亡した。保健当局は、この男性が死亡するまで、Murray Valley encephalitisの危険性についての注意喚起を行っていなかった上、23日までこの男性の死亡を公表していなかった。当局は、この脳炎の感染リスクは小さいが、蚊族による刺咬を避けるよう市民に呼びかけていると述べた。神経医によると、the Darwin regionではこの10年間に、このような死亡例は発生していない。死亡する可能性のある同ウイルスに対する特異的な治療法はない。生存したとしても、その後に大きな障害を残す患者が多く、できることと言えば、蚊族を避けることしかないと説明した。しかし、これはまれな疾患であり、パニックをおこすべきではない。NTでこの30年間にわずか20人が感染したしたに過ぎず、ウイルスに感染した人のうち、発症するのは500-1000人に1人であると述べた。
[2] No way to control mosquitoes in Darwin's rural areas: expert
対象面積が広すぎるため、蚊族のコントロールは無理
情報源: ABC News (Australian Broadcasting Corporation) 、2009年3月23日。
http://www.abc.net.au/news/stories/2009/03/23/2523765.htm
Darwin's Centre for Disease Controlの蚊族の専門家は、Darwin's rural areasにおいて、致死性のウイルスを伝播させる蚊族をコントロールすることは不可能と述べた。この地域において、自宅付近で蚊族に刺され、Murray Valley encephalitisにより男性1名が死亡した。この専門家は、ダーウィンDarwinでは蚊族はコントロールできているものの、農村部は違うと説明した。スプレー(噴霧)には広すぎ、カサリンKatherine直下のthe Top End of the Northern Territory全体に湿地があり、全ての蚊族繁殖地に対して噴霧することは不可能と述べた。
[Mod.CP注-Murray Valley encephalitis virus (MVEV) はオーストラリア北部(Western Australia and the top end of the Northern Territories)において地方病感染しており、自然界でMVEVはトリ-蚊族-トリの感染循環で増幅され、ヒトは感染のある蚊族の刺咬により感染する。洪水や多雨の後、MVEVの活動性が増す。数年ごとに、主に雨期の間に、散発あるいは小規模の集団発生がある。1917年以来7件の大きなMVEの流行が発生している。最新の流行は1974年で、当時全国で58例の患者の報告があった。1074年以降、ほとんど全てのMVE患者はWestern Australia and the Northern Territoryで発生しており、時にQueensland, central Australia, and central regions of Western
Australiaから報告されることがある。血清学的調査によると、感染したヒトのうち臨床症状を示すものは800-1000人に1人に過ぎない。発症者の中で、25%は死亡し、25-50%は神経学的後遺症を残す。 northern Australiaの地方病感染地域から、感染したnative birdsや風に流された蚊族によってウイルスが運ばれて流行すると考えられている。しかし、新たな地域において、蚊族の卵中やその他の未知の方法により、1-2シーズン生存可能であるとの証拠もある。MVEVの活動は、オーストラリア南東部では、北部や中央部の多雨や洪水のあとにだけ発生する程度である。これらの流行はウイルスが再導入されることによっておきると考えられている。The primary hosts of MVEV は水鳥で、Ardeiformes (heronsサギ),とくに the Rufous Night-heronと the Pelicaniformes(cormorants/darters) は、最も感染することが多い。感染流行時のThe primary mosquito vectorは_Culex annulirostris_である。 _Cx. australicus_ や _Ochlerotatus_ speciesの一部も MVEV ecologyに関与していると思われる]
関連項目 20090314.1055 Mod.CPによるMEV解説
Fact Sheet http://www.health.gov.au/internet/main/Publishing.nsf/Content/health-arbovirus-pdf-fsmurrayvalley.htm

原文リンク