感染症速報詳細

記事日付 20090403
タイトル デング熱−更新
国名 世界各国    
感染症名 デング熱
概要 デング熱はカリブ諸国、中央アメリカ、中央・南アジアから米国に戻る旅行者の発熱の最も一般的な原因である。本疾患は4種類のウイルス(DENV−1、2、3、4)によって起こり、感染した蚊に刺されることにより広まる。2007年、多くの国で、多数のデング熱感染者が報告されている。この傾向は2008年も続いている。デング熱感染者は南太平洋、アジア、カリブ海、アメリカ、アフリカなどの多くの熱帯地方の国々でしばしば報告されている
和文 デング熱−更新
CDC Outbreak Notice 2009年4月2日
デング熱はカリブ諸国、中央アメリカ、中央・南アジアから米国に戻る旅行者の発熱の最も一般的な原因である。本疾患は4種類のウイルス(DENV−1、2、3、4)によって起こり、感染した蚊に刺されることにより広まる。
2007年、多くの国で、多数のデング熱感染者が報告されている。この傾向は2008年も続いている。デング熱感染者は南太平洋、アジア、カリブ海、アメリカ、アフリカなどの多くの熱帯地方の国々でしばしば報告されている(http://wwwn.cdc.gov/travel/yellowBookCh4-DengueFever.aspx#360)。いくつかの流行の報告は下記の報告に含まれる。
2009年初頭より、デング熱患者は南米のいくつかの地域で増加している。アルゼンチン北部では、2009年の最初の2ヶ月で、おおよそ2000名の患者が報告された。さらに、5000名の患者がペルー北西部のトゥンベス県(Tumbes region)で報告され、パラグアイでは542名の確定患者と728名の疑い患者が報告されている。
2009年1月、ボリビアの保健事務官は、デング熱患者の増加による健康危機を宣言した。2009年3月16日、ボリビア保健省はデング熱患者5261名とデング出血熱患者127名を報告した。更に46381名の疑い患者も報告している。最新の情報はボリビア保健省のサイト(http://www.sns.gov.bo/snis/default.aspx)を参考にして下さい。この流行に関する更なる情報はWHOのポッドキャスト(http://terrance.who.int/mediacentre/podcasts/WHO_podcast_062.mp3)を聞いてください。
ブラジル保健省は2008年にデング熱の活動性が高くなっていると報告した。リオ・デ・ジャネイロ州(State of Rio de Janeiro)は特に活動性が著明で2008年には死者106名を含む248609名の患者が報告されている。
オランダ領アンティルの保健事務官は2008年にシント・マールテン(St. Maarten)、サバ(Saba)、キュラソー(Curacao)の各島のデング熱患者の増加を報告した。500名以上のデング熱患者がシント・マールテン島で、9名がサバ島で報告された。サバ島の事務官は過去30年間で最大の患者数であると報告している。
マレーシアの保健衛生当局は、国全体でデング熱の活動性が高くなっていると警報を出した。2009年1月の第三週までに死者12名と4200名のデング熱患者を報告した。クアラルンプールは特に激しく、この期間に2名の死者と400名以上のデング熱患者を報告した。
2009年3月13日、クィーズランド州(オーストラリア)保健局はオーストラリア北東部に位置するクィーズランド州北部地域で749名のデング熱患者を確認した。さらに、2009年3月4日にケアンズ市の老女が、今回のデング熱の流行で第一例目の死者となったと報告した。
デング熱は、熱帯地方と亜熱帯地方で感染します。デング熱の感染はしばしば農村部と都市部の両地域で生じるが、通常、デング熱感染は都市部から頻繁に報告されます。デング熱の世界的な流行に関して更なる情報はCDCのVector-Borne Infectious Diseases(http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/dengue/)とWHOのDengue Feverのサイト(http://wwwn.cdc.gov/travel/forward.aspx?t=aHR0cDovL3d3dy53aG8uaW50L3RvcGljcy9kZW5ndWUvZW4v-V%2bcDw%2brZr5o%3d)を参照してください。

○症状と治療
デング熱の症状は以下のとおりである
? 発熱
? 激しい頭痛
? 眼の奥の痛み
? 関節・筋肉痛
? 発疹
? 吐き気・嘔吐
? 出血の兆候
一般的にデング熱の症状は軽度であるが、重症化したり、出血性デング熱となることもある。出血性デング熱は治療しないと死亡することがある。過去にデング熱に感染した人は出血性デング熱を生じる危険性がより高い。
デング熱に対するワクチンはなく、特異的な薬もない。デング熱に罹患した場合、アセトアミノフェンなどの解熱剤が処方され、時に、経口的脱水改善や点滴が必要となる。また、重症の場合、血圧を維持する治療が行われる。血圧の維持が困難なことが予想される重症デング熱患者は、初期の認識と治療により、死亡するリスクを減らすことができる。
もしあなたが海外旅行から帰ってきて、発熱を伴う病気になったら、あなたは病院を探さなければならない。必ず医師や医療関係者に、最近の旅行について話すようにして下さい。
○旅行者の予防策
旅行者はデング熱に感染する危険性を減少するために、蚊に刺されない様に自分自身を守らなければならない。デング熱を媒介する蚊は一般的には夕暮れや夜明け に活動するが、特に屋内や日陰、曇った日の日中でも活動する。
旅行者は、蚊に刺されないように次の手順をふむべきです。
? 外部とよく遮断され、空調設備が整い、蚊の数をより少なくしたホテル、宿泊所に泊まることが望まれる。若し、ホテルが充分に外部と遮断されていない場合、蚊に刺されない様に、蚊帳の中で寝る。
? 屋外や外部と充分に遮断されていないビルでは、露出している肌には虫よけを使う。また、虫よけの前に日焼け止めを常に塗る。
○次の有効な成分が含まれている虫よけを探す。
DEET(N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド)
PICARDIN
レモンユーカリオイル
PMD
IR3535
○一般に、これらの有効成分のいずれも、より高濃度である方が蚊に刺される事を長時間防ぐが、50%以上の濃度の場合、虫よけ効果時間を長持ちはさせない。有効成分が10%虫よけとして効果がある最低限の濃度で、1、2時間の効果である。
○米国小児アカデミーは2ヶ月以上の乳児にはDEETの濃度が30%の虫よけを推奨している。
○2ヶ月以下の乳児は縁がしっかりとした蚊帳で覆われたベビーキャリーを使って蚊に刺されないようにする。より詳しい情報はhttp://wwwn.cdc.gov/travel/yellowBookCh8-SafeInfantsChildren.aspx
http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/westnile/qa/insect_repellent.htm#kids
を参考にしてください。
○虫よけに関する更なる情報は、http://wwwn.cdc.gov/travel/contentInsectProtection.aspxを参考としてください。

? ゆったりとした、長そでのシャツや長ズボンを屋外では身に付ける。
○より強く防御するために、衣類もまたPERMETHRIN(ペルメトリン)を含む虫よけスプレーまたは合衆国環境保護庁が登録した別の虫よけを使用する。(注意:ペルメトリンは肌には使用しないこと。)
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