感染症速報詳細

記事日付 20090413
タイトル 結核-米国:(イリノイIL)、病院での曝露、疑い
国名 米国    
感染症名 結核
概要 [1] 結核に感染していた研修医により、患者が曝露した可能性がある
和文 http://www.chicagotribune.com/business/chi-biz-doctor-with-tuberculosis-infants-april10,0,3870468.story
Northwestern University doctor-in-training [resident physician]1名が、シカゴChicago地区の3つの病院で、乳児を含む数百人の患者に対して、結核に曝露させた疑いが持たれている。医療提供者が患者の健康を危険にさらすという異常な状況となっている。この26才女性の小児科レジテントは、結核に矛盾しない症状を呈し、7日シカゴの病院で結核TBと診断された。咳、盗汗、発熱、悪寒、体重減少などの、活動性結核の症状であった。10日現在、このレジデントに関係がある結核と診断された患者や職員は確認されていない。3つの病院、Northwestern, Children's Memorial and Evanston は、レジデントから患者が感染するリスクは"minimal" と見ている。しかし、病院側はひきつづき、過去10ヶ月間にこのレジデントと接触のあった可能性のある患者らに対して、周知を続ける。...曝露した患者の詳細な内訳など...原文参照願います
[2]  Hundreds Of Illinois Kids Possibly Exposed To TB
Contagious Health Care Worker Rotated Through 3 Hospitals
情報源: Associated Press and KIRO TV 7 Seattle、2009年4月11日。
http://www.kirotv.com/health/19153355/detail.html
Children'sMemorial Hospitalの小児感染症科長は、スタッフ約300人と150人の患者らに曝露の可能性があるとした。
Northwestern Memorial Hospitalの当局者は、患者17人に影響がある(感染した? affected)としている。Evanston Hospitalでも曝露の可能性がある。
[Mod.ML注-tuberculosis の感染伝播は、患者の感染性the infectivity(すなわち患者が吐き出すinfectious particlesの濃度やサイズ)、患者との距離、曝露があった換気および曝露期間に依存する。感染性患者には空洞性病変があり、咳やくしゃみにより大量の結核菌を含むエアロゾルが産生される。infectivity の程度は、喀痰中のmycobacteriaに特異的な染色に陽性、すなわちacid fast bacilli (AFB)染色陽性であることによって示される。換気が不十分な空間で、より接近し、より長期間曝露するほど、感染伝播のリスクは高くなる。結核は以前から医療従事者にとってリスクがあるとされてきた。実際、1965年にacademic medical centerで発生した、潜在性および活動性結核の広範囲にわたる感染流行について報告している(N Engl J Med 1965; 275: 718-21)。1980年代にはAIDS患者および医療従事者での院内感染流行が起き、1990年代は多剤耐性結核による院内感染流行が報告されている。患者と接触のある病院職員や医学生で、以前のツベルクリン反応が陰性であった者に対しては、結核菌感染の有無を知るため、少なくとも年1回のツ反検査が行われている。この女性が米国内で曝露した可能性以外に、the Northwestern University resident physicianには、2007年後半のボツワナのHIVクリニックでの医学生として働く機会があり、多剤結核菌を含めた感染性結核の患者に曝露していたことは疑いない。ボツワナでの感染結核検査として、毎年のツ反検査のほか、ボツワナへの渡航前と帰国の約10週間後に、ツ反検査を受けておくべきだった。]

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