記事日付 | 20090511 |
タイトル | 黄熱-ブラジル:南米(29) (リオグランデドスルRS、サンパウロSP) |
国名 | ブラジル   |
感染症名 | 黄熱 |
概要 | 2つの州で43人が感染し、16人が死亡した Yellow fever advances to the south; the number of cases quadruples |
和文 | http://noticias.terra.com.br/brasil/interna/0,,OI3754756-EI715,00-Febre+amarela+avanca+para+o+Sul+n+de+casos+quadruplica.html 衛生当局が豚インフルエンザ対策を議論する中、ブラジル国内において、森林型黄熱が、南部および南東部に感染を広げ、黄熱による死者数は4倍に増加した。以前から北部および中西部の州では地方病感染が発生していたが、保健省によると、2009年に発生があった州は、サンパウロSao Paulo と リオグランデドスルRio Grande do Sulのわずかに2州であった。43人が感染し、その結果16人が死亡した。2008年にこれら2つの州で黄熱に感染して死亡した症例は、1/4の4例(各2例)のみであった。それ以前にサンパウロ州で死亡が記録されたのは、2000年が最後であった。リオグランデドスル州では、1990年以降、これまで黄熱による死者は報告されていなかった。サンパウロ州では、2009年の2月22日から4月1日の期間に、9人が死亡した。合計25例の感染患者が確認されている。致死率は36%に達した。確認された25例のうち、16人が男性(64%)で、年齢は生後8日目から52才までで、平均年齢は30才であった。いずれの患者もこれまでにワクチンを接種されたことがなく、活動場所である農村部または森林地帯において、感染を受けたと考えられる。臨床症状が見られた患者全員から血液が採取され、検査機関で検査が行われている。軽症例の20人について、検査結果が出るまでの間、監視が続けられている。リオグランデドスル州内では、2008年まで黄熱感染の発生は確認されておらず、黄熱の"free area(清浄地区)"と見なされてきたが、18例の黄熱患者が確認され、7人が死亡している。当局は、この2州での発生状況悪化を見て、ワクチンの集団接種を開始した。サンパウロSP州では、2009年にSP州内の北西地域から南西地域へと黄熱感染が拡大しており、44市の89万5千人分のワクチンが配布された。このうち、Buri, Saratuia, Itatinga, and Pirajuで、死者が確認されている。2009年4月22日までに配給されたワクチンは、2008年まで黄熱感染がないとされていた44都市の人口の89%をカバーする量で、SP州内の374都市は黄熱リスク地域に入っている。黄熱感染による致死率が39%に達したリオグランデドスルRS州でも、ワクチンの一斉接種が続けられている。保健省によると、2008年まで黄熱の記録はなかったが、現在、地方病感染地域は、272都市にまたがる広範囲となっている。81都市で感染が発生し、190都市がリスク地域に数えられており、州都ポルトアレグレPorto Alegreもその中に入っている。ポルトアレグレでは、隣接するグアイバGuaiba市で2匹のサルの感染が確認されたことを受け、週末の9-10日にワクチン接種が行われる。..2009年4月1日以降、the State(国内?州内?)において、黄熱患者は1例も報告されていない。環境学者は、サンパウロ州の新たな地域への黄熱感染拡大は、the _Haemagogus_ mosquito[黄熱ウイルスの都市および森林での蚊族ベクター]の生息地である湧水池付近を中心とした、deforestation森林伐採の影響であると説明している。しかし、一旦森林地域で感染すれば、今度はその感染者が、黄熱ウイルスやデング熱ウイルスの都市のベクターである、ネッタイシマカ_Aedes aegypti_の感染源となる。 [Mod.LJS注-以前からくり返し述べているように、黄熱は決して"progress(ここでは感染地域の拡大の意)"していない。以前から南部にも存在しており、理由はよく判らないが、その感染伝播の強度が刻々と変化しているだけである。] 地図 Brazil showing the location of the states http://www.lib.utexas.edu/maps/americas/brazil.jpg |
原文リンク |