記事日付 | 20090521 |
タイトル | インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(37) |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザA |
概要 | [1] Vaccine development delay ワクチン開発遅れる WHOからワクチンメーカーへの種ウイルス供給は、当初予定の5月末から遅れ、早くとも7-8月にずれ込む見込み |
和文 | http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-sci-flu-vaccine20-2009may20,0,415215.story WHOは19日、H5N1インフルエンザウイルス用ワクチンの製造に必要なthe seed stock(種株 シード株)の準備に、当初予想されていたより長い時間がかかっていることを明らかにした。いわゆる豚インフルエンザ感染流行について話し合うため、ジュネーブGenevaで開かれている1週間にわたる会議の中で、世界保健機関は、研究室内でのウイルスの成育スピードがそれ程早くないと述べた。このことは、ワクチン製造メーカーの生産開始が、早くても2009年7月中旬となることを意味する。WHOの当局者は当初、2009年5月末までには、製造メーカーへのシード株配給が可能との見方を示していた。シード株が製造メーカーに手渡された後、ワクチン生産までにおよそ4-6ヶ月間を要する。The U.S. Centers for Disease Control and Prevention (CDC 米国疾病対策センター)は、自ら保有しているH1N1のシード株を、2009年5月末までにワクチンメーカーに配布する予定であり、このための準備は、"still on track(順調に進んでいる)"であると、19日に広報担当者が述べた。少数のH1N1ワクチンロットによるヒトでの臨床治験が、早ければ2009年7月後半か8月には可能となるであろうと述べている。WHOとCDC双方とも、製造メーカーに対する、H1N1ワクチン製造開始の承認(go-ahead )は出していない。 [2] Vaccination policy ワクチン接種に関する意見 インフルエンザウイルス流行経過中には、予想外の事態がおきることも想定し準備しなければならない 情報源: FluTrackers.com 、2009年5月18日。 http://www.flutrackers.com/forum/showthread.php?p=235614 世界的に有名なウイルス学者であるAlbert Osterhaus教授は、欧州最大の感染症会議の参加者らに対して、インフルエンザA(H1N1)の感染流行は、ヒトのインフルエンザにとって、間違いなく、過去40年間の中で、最重要課題であると語った。同時に、現在のH1N1の脅威は深刻であることを強調した。ロッテルダムRotterdam にあるthe Erasumus Medical Centreのウイルス学部長であり、1997年には鳥インフルエンザ(H5N1)のヒトでの感染確認作業をリードした同教授は、ブタ由来インフルエンザに直面したときに行うべきmedical preparedness(医療対策)には、3つの重要な要素があると説明した:Good surveillance and diagnostics(適切なサーベイランスと診断); effective treatment/antiviral therapy(有効な治療/抗ウイルス治療; and 予防の基本であるvaccination(ワクチン接種)である。しかし同氏は、今回のインフルエンザウイルス流行経過中に、予想外の事態がおきることも想定し準備しなければならないとも警告した。同氏は、ヘルシンキHelsinkiで開催されたthe European Congress of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ECCMID) のプログラムに追加された、the European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases (ESCMID) と雑誌The Lancetが共同で企画したlate breaker session で発表した。 A (H1N1) vaccinationの問題について言及し、全てのインフルエンザワクチンの製造について改善の余地があると述べた。さらに良いものでなければならないと、科学・医療・製薬の各産業からの代表者に対して注文をつけた。インフルエンザワクチンの生産システムと生産能力については、A(H1N1)ワクチンの開発如何に関わらず、改善の必要があり、現在の生産能力では約10-20億人分を守ることができるが、世界中の人口はおよそ67億人であり、まだ十分とは言えないと述べた。臨床医の立場から今回の感染流行に焦点を当てた、ESCMIDの新しい議長でバルセロナBarcelonaのHospital Mutua Terrassaの医学部長であるJaviar Garau教授は、ブタ由来インフルエンザの治療を優先する考えを強調した。われわれは経験上、インフルエンザでは肺炎の形をとることもある二次感染が致命的となる可能性があることを知っている。このことから、抗ウイルス薬だけでなく、十分量の抗生物質を備蓄することも、対策の中に含めるべきだと主張した。 The Lancet Infectious Diseasesの編集長は、ウイルスを甘く見ては行けないと述べ、Osterhaus教授が指摘したように、感染流行が突然姿を消す可能性は低く、ウイルス感染の拡大に目を光らせていなければならないとした。 ビデオ(2009年5月20日以降 視聴可能となる予定)Video highlights from the session:The Lancet's H1N1 Flu resource Centre http://www.TheLancet.com/H1N1-flu |
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