記事日付 | 20090514 |
タイトル | インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(26) |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザA |
概要 | [1] Absence of fever 発熱の欠如 |
和文 | http://www.nytimes.com/2009/05/13/health/13fever.html?hp 豚インフルエンザA(H1N1)の感染者の多くが、重症患者であっても発熱が見られず、新型ウイルスのこの奇異な特徴が、感染流行対策をより難しくさせる可能性があると、先週メキシコの患者を調査した米国の感染症の専門家が述べた。発熱は、インフルエンザのhallmark(特徴)の1つで、発症時には突然40℃[104F]を超えることも多い。多くの感染症の専門家は、発熱はインフルエンザの最も重要な徴候と考えているため、発熱の存在が、患者を見分ける決定要因である。しかし、米国の医師が先週調査のために訪れたMexico Cityの2つの病院では、初診時(when screened)に、およそ1/3の患者は発熱していなかったと、同医師は述べた。教科書的には、インフルエンザ流行中の発熱と咳のthe predictive value(予測値)は90%とされている。重症例の患者のほとんどは入院後に発熱したが、軽症例のおよそ半分では発熱しなかった:ほとんど全ての患者で咳と全身倦怠が認められたと述べた。また、メキシコの2つの病院のおよそ12%の患者は、咳や呼吸困難といった呼吸器症状に加え、重症の下痢が認められたことを明らかにした。このような患者らには、1日6回の排便が3日間続いた。同医師はメキシコの共同研究者らに、糞便・・フ豚インフルエンザA(H1N1)ウイルスの検査を行うよう促した。A(H1N1)ウイルスがヒトからヒトに感染し、糞便中にウイルスがいるとすれば、特に貧困国での感染対策はさらに難しくなる。また、メキシコの研究者らに対して、症状のないウイルスキャリアがいるかについても検査するよう求めている。メキシコでの感染流行の理解を複雑にしている、通常とは異なる特徴として、この数ヶ月間に、メキシコでは5種類の異なるインフルエンザウイルスが同時に感染循環していることがあると、述べた。同医師が訪れた病院の1つ、the National Institute for Respiratory Diseasesにおける、 Pneumonia rates 肺炎(発生)率は、過去2年間は1週間あたり20例であったところ、最近では週120例に達し、豚インフルエンザとの関連性が示唆されている。インフルエンザ患者が発症する肺炎は、1918-19年のインフルンザパンデミック時の主な合併症であったとされている、ブドウ球菌性肺炎像とは違っていると、説明された。この2つのメキシコの病院は、呼吸器感染流行に十分対処できる設備(体制)があり、メキシコ人医師らは、職員らの不安を軽減するために、情報を公開し、ホットラインを開設し、心理的なサポートと医学的検査を提供するなどの手段を講じていた。感染流行に対する対応については、私見として米国ではあまり理解されていないと思われるが、対策を成功させるためには重要なことで、医療従事者の不安への対応に関して、まだ十分とは言えないとした。 [2] Symptoms in pigs 情報源: Reuters News、2009年5月11日。 http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSLB391904> 世界中に蔓延する新型H1N1ウイルスを子豚に感染させたタイの研究者は、ヒトでの感染例と同じように、インフルエンザ類似症状を呈した後消失すると、11日に発表した。豚インフルエンザと呼ばれるこの新たなウイルスによる感染流行により、メキシコを中心に53人が死亡し、当局者が豚肉の消費によるウイルス感染拡大のリスクを否定しているにも関わらず、一部の国では、ヒトでの感染が報告された国から豚肉の輸入が禁止されている。豚肉生産者らは、ウイルスがどのようにして動物に感染するかについて、不安を感じている。新型ウイルスに感染した22頭の子豚は、感染から1-4日後にインフルエンザ類似症状を示し、感染の2日後からウイルスを排出--感染力を有することを意味する--した。より危険性の低いH3N2亜型ウイルスに感染させた子豚も含め、どのブタも死亡しなかった。本研究の結果は、タイの豚インフルエンザ対策に役立つものと考えられると、雑誌BioMed Central's Virology Journalで報告した。この新型ウイルスは、豚インフルエンザウイルスが、鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスの一部と混じりあった複合ウイルスであるが、メキシコで初めて発生したこの新たな感染症の由来について、はっきりと説明されていない。インフルエンザウイルスは常に変異しており、無差別にお互いの遺伝物質を交換し合っている。特に動物やヒトが同時に2種類のウイルスに感染したときに起こりやすい。この研究チームは、感染したブタすべてが、鼻汁、咳、くしゃみ、結膜炎などの呼吸器症状を発症したことを確認している。また、肉眼的に観察できるほど大きな肺病変が認められた。この病変は、肺の暗紫色dark, plum-coloredの部分として区別され、感染の2日後に最も激しかった。H1N1感染のブタに顕著で、肺の1/3を占めていた。これらの結果から、離乳したばかりの子豚において、いずれの亜型の豚インフルエンザでも、インフルエンザ類似症状と肺病変が引き起こされる可能性があることが示された。しかし、肉眼的病変でも微細な肺病変においても、H1N1感染ブタの重症度がより高かったと説明された。 同報告の要約 http://www.virologyj.com/content/6/1/34 human-like SIV from the 1970s." - Mod.CP] [3] Origin in eggs? 情報源:The Edmonton Sun, The CanadianPress、2009年5月12日。 http://www.edmontonsun.com/news/swineflu/2009/05/12/9433981.html WHOおよびインフルエンザの先進的研究グループは、新型H1N1豚インフルエンザウイルスは、自然界ではなく、研究機関で発生した可能性があるとの、非公式の見解について調査を行っている。WHOは、豪の元ウイルス学者である筆者から、pending publication(出版の延期)の通知を受けた。この主張を受け、直ちに世界中のヒトや動物のインフルエンザの先進的研究機関から、この主張の正当性を吟味し、もし正しいとすれば、WHOが、新型H1N1豚インフルエンザウイルスによる脅威に関して加盟国に与えた勧告を変更すべきかを判断するため、研究者らが招集された。WHOの主任インフルエンザ研究者は、議論は尽くされておらず、結論に至っていないが、これまでのところ、weight of evidenceから、この説は正しくないことが示唆されていると述べた。...以下、原文参照願います。 [4] Origin in eggs? 情報源:Bloomberg News、2009年5月14日。 http://bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aShZig0Cig4g&refer=home WHOは、豪の研究者が、世界に感染が広がっている豚インフルエンザウイルスは、人為的ミスにより産み出されたとの主張したことについて、調査を行っている。Roche Holding's Tamiflu drugの開発につながる研究に携わった75歳のこの研究者は、新型ウイルスが、ウイルス培養やワクチン製造の目的に使用される卵で、偶然に発生した可能性がある、という内容の報告を発表予定であると、取材の中で述べた。genetic blueprintの解析により、ウイルスの由来を追う中で、この結論に至ったと述べている。ウイルスはlaboratory escapeであるとするのが、最も簡潔な説明だが、他にもいくつもの説明が存在するとも述べている。WHO当局は、先週末にこの研究結果を受け、内容を検討していると、11日の会見で明らかにした。40年間ウイルスの進化の研究を行ってきたこの研究者は、メキシコで3週間前に確認され、1968年以来のパンデミックインフルエンザとなる可能性があるこのウイルスの、遺伝学的特徴の解析に関わる、第1人者の1人である。...詳細は原文参照願います |
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