記事日付 | 20090513 |
タイトル | インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(25) case counts |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザA |
概要 | [1] WHO - global update (06:00 GMT) Influenza A (H1N1) - update 26 - 12 May 2009 |
和文 | http://www.who.int/csr/don/2009_05_12/en/index.html 12日06:00 GMT現在、30カ国で5251人のinfluenza A(H1N1)感染が公式に報告されている。メキシコで検査で確定された患者は、56人の死者を含め2059人、米国では死者3人を含む2600人、カナダでは死者1人を含む330人、コスタリカでは死者1人を含む8人の患者が確定診断されている。以下は、死者の発生していない、感染が報告された国である(原文参照) Summary table of cases reported to WHO 30 Apr -- 12 May 2009(国別、感染者の多い国は日別) ------------------------------------------------------------ 国名: 患者数(deaths) Apr 30 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 メキシコ: 97(7) / 156(9) / 397(16) / 506(19) / 590(25) / 822(29) / 942(29) / 1112(42) / 1204(44) / 1364(45) / 1626(45) / 1626(48) / 2059(56) カナダ: 19 / 34 / 51 / 85 / 101 / 140 / 165 / 201 / 214 / 242(1) / 280(1) / 284(1) / 330(1) スペイン: 13 / 13 / 13 / 40 / 54 / 57 / 73 / 81 / 88 / 88 / 93 / 95 / 95 英国: 8 / 8 / 15 / 15 / 18 / 27 / 28 / 32 / 34 / 34 / 39 / 47 / 55 米国: 109(1) / 141(1) / 160(1) / 226(1) / 286(1) / 403(1) / 642(2) / 896(2) / 1639(2) / 2254(2) / 2532(3) / 2600(3) Argentina、Australia、Austria、Brazil、China, Hong Kong, SAR, mainland、Colombia、Costa Rica、Denmark、El Salvador、France、Germany、Guatemala、Ireland、Israel、Italy、Japan、Netherlands、New Zealand、Norway、Panama、Poland、Portugal、Republic of Korea、Sweden、Switzerland 発生報告のあった国の数: 11 / 13 / 16 / 18 / 21 / 21 / 23 / 24 / 25 / 29 / 30 / 30 合計患者数: 257(8) / 367(10) / 658(17) / 898(20) / 1085(26) / 1490(30) / 1893(31) / 2371(44) / 2500(46) / 4379(49) / 4694(53) / 5251(56) [2] PAHO - Americas regional update (17:00 GMT-4) 情報源: PAHO H1N1 flu website、2009年5月12日。 http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=view&id=1345&Itemid=569 12日までに、11カ国から死者63人を含む5696人の患者が報告されている。初発患者の発症日は2009年3月28日で、米国での発症であった。11日以降、キューバでは、初めての患者がマタンサスMatanzas州で確認された。 [3] CDC a. USA update (11:00 GMT -4) 情報源: CDC H1N1 flu website 、2009年5月12日。 http://www.cdc.gov/h1n1flu/ 累積患者数(deaths), 州別, 30 Apr -- 12 May 2009[抜粋] States: Cases (deaths) Apr 30 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 アリゾナArizona: 1 / 4 / 4 /18 / 17 / 17 / 48 / 48 / 131 / 182 / 182 / 187 カリフォルニアCalifornia: 14 / 13 / 24 / 26 / 30 / 49 / 67 / 106 / 107 / 171 / 282 / 193 イリノイIllinois: 0 / 3 / 3 / 3 / 8 / 82 / 122 / 204 / 392 / 421 / 466 / 554 ニューヨークNew York: 50 / 50 / 50 / 63 / 73 / 90 / 97 / 98 / 174 / 190 / 190 / 192 テキサスTexas: 26(1) / 28(1) / 28(1) / 40(1) / 41(1) / 41(1) / 61(2) / 91(2) / 93(2) / 110(2) / 108(2) / 206(2) ワシントンWashington: 0 / 0 / 0 / 0 / 0 / 0 / 9 / 23 / 33 / 83 / 102 / 176 ウィスコンシンWisconsin: 0 / 0 / 0 / 3 / 3 / 3 / 6 / 26 / 240 / 317 / 357 / 437 Alabama、Colorado、Connecticut、Delaware、Florida、Georgia、Hawaii、Idaho、Indiana、Iowa、Kansa、Kentucky、Louisiana、Maine、Maryland、Massachusetts、Michigan、Minnesota、Missouri、Montana、Nebraska、Nevada、New Hampshire、New Jersey、New Mexico、North Carolina、Ohio、Oklahoma、Oregon、Pennsylvania、Rhode Island、South Carolina、South Dakota、Tennessee、Utah、Vermont、Virginia、Washington, DC 合計州数: 11 / 19 / 21 / 30 / 36 / 38 / 41 / 41 / 43 / 44 / 44 / 44 / 45 合計患者数 (deaths): 109(1) / 141(1) / 160(1) / 226(1) / 279(1) / 403(1) / 642(2) / 896(2) / 1639(2) / 2254(2) /2532(3) / 2600(3) / 3009(3) 地図 number of cases by state http://www.cdc.gov/h1n1flu/update.htm b. MMWR Dispatch: pregnant women Novel influenza A (H1N1) virus infections in 3 pregnant women - United States, April-May 2009 情報源: MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2009; 58 (dispatch): 1-3 、2009年5月12日。 http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58d0512a1.htm?s_cid=mm58d0512a1_e CDCが、米国で初めての新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスの呼吸器感染患者を報告したのは、2009年4月15日と17日であった。季節性インフルエンザ感染流行や、かつて発生したパンデミックの期間中、妊娠女性には、インフルエンザに関連した合併症のリスクの上昇が認められている。さらに、母体のインフルエンザウイルス感染と、これに伴う体温上昇によって、胎児に先天奇形や早産などの合併症のリスクが加わる。今回の新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染のサーベイランスの一環として、CDCは、この新型ウイルスに感染した妊婦のサーベイランスを開始した。2009年5月10日現在、米国内の妊婦の中で、合計20例の新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染症例が報告されている。このうち15例の診断は確定されており、5例は可能性例である。データが入手できた7州の13人の妊婦の、平均年齢は26才(15-39才);3人が入院し、このうち1人が死亡した。この報告では、3人の妊婦に発生した新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染の、現段階で得られている詳細を明らかにする。妊婦の新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染では、確定・可能性・疑い例に5日間の抗ウイルス薬治療を行うべきである。妊婦にはOseltamivirが推奨され、処方開始は発症から48時間以内に行われるべきである。新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染の、確定・可能性・疑い例の患者と濃厚な接触のあった妊婦は、zanamivirもしくはoseltamivirによる10日間の予防内服が勧められる。 症例報告 (患者A)2009年4月15日、妊娠35週の33才の妊婦1名に、前日からの筋肉痛、乾性咳そう、軽度発熱があり、産科医による診察が行われた。比較的元気で、乾癬と軽い喘息の既往があったが、周産期のビタミン以外の薬剤は服用していなかった。最近のメキシコへの渡航歴はなかった。医院で行われた、迅速のインフルエンザ診断検査キットで陽性となった。同月19日、息切れ、発熱、湿性咳そうの悪化のため、地元の救急室を受診した。重度の呼吸障害があり、room airでの血中酸素飽和度は80%前後、呼吸回数は30/分であった。胸部レントゲン撮影で、両側の結節性浸潤影が認められた。気管内挿管が必要で、人工呼吸器が装着された。同日、緊急帝王切開で女児1名を出産し、Apgarスコア4/6であった;児は元気で退院している。同21日にこの患者はacute respiratory distress syndrome (ARDS)となり、28日からoseltamivirが開始され、広域スペクトラムの抗生剤も使用されて、機械式人工換気が続けられていた。患者は5月4日に死亡した。4月25日に患者Aから採取された鼻咽頭スワブ検体から、real-time reverse transcription-polymerase chain reaction (rRT-PCR)法で、unsubtypable(型判定できない) influenza A strainが検出された。この検体は、the Virus Surveillance and Diagnostic Branch Laboratory, Influenza Division, CDCに送付されたが、 novel influenza A (H1N1) virus感染との結論(診断)には至らなかった。4月30日に再度採取された検体は、CDCにおけるrRT-PCR法による novel influenza A (H1N1) virus 検査で陽性となった。 (患者B)生来健康であった、妊娠32週の35才女性が、前日からの息切れ、咳、下痢、頭痛、筋肉痛、咽頭痛、吸気時の胸痛を訴え、4月20日に救急受診した。38.7度の発熱があり、心拍数は128/分、呼吸数22/分で、room airでの酸素飽和度は97%であった。胸部レントゲン撮影で異常は認められなかった。インフルエンザの迅速検査では陰性であった。患者は経口の非ステロイド性抗炎症薬であるacetoaminophenを処方され、albuterolの吸入を受け、帰宅した。翌日の産科医の健診で鼻咽頭スワブ検体が採取され、rRT-PCR testingが行われた。患者には抗生物質、制吐剤、acetoaminophen、吸入ステロイド薬が処方された。患者は完全に回復し、妊娠経過は順調である。患者Bは、救急受診までの3日間、メキシコに滞在している。メキシコと米国の家族の数人がインフルエンザ類似症状を発症しており、患者の姉は前の週に肺炎のため入院している。4月21日に患者Bから採取された鼻咽頭スワブ検体から、the Naval Health Research Laboratory in San DiegoにおけるrRT-PCR法で、型判定できないインフルエンザAウイルスが検出された。CDCでの確認検査で、新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染が確定された。 (患者C)2009年4月29日、妊娠23週の29才女性1名が、1日続く咳、咽頭痛、悪寒、軽度発熱、倦怠感を感じ、産前ケアを受けている開業医を受診した。患者には喘息の既往があったが、喘息薬は使用していなかった。女性の10才の息子にも、この患者が発症する前から同様の症状が見られていたと報告されている。もう1人の7才の息子は、患者である母親と同じ日に発病し、患者とともにクリニックを受診した。クリニックで、小さい方の息子は激しく咳をし、医院のスタッフからマスクを装着するよう求められた。この家庭医のクリニックで行われた、患者Cから採取された鼻咽頭スワブ検体のインフルエンザ迅速診断検査キットは陽性であった。この女性にはoseltamivirが処方され、同日より服用を開始した。合併症なく回復し、妊娠経過は順調である。患者Cは、最近メキシコを訪れたことはなかった。7才の息子にも29日からoseltamivirが処方されているが、インフルエンザ検査では陰性であった。患者Cを診察した医師自身も、妊娠13週の妊婦であった。この医師はoseltamivirの予防内服を行っており、現在まで症状は見られていない。患者Cから4月29日に採取された1件の鼻咽頭スワブ検体について、the Washington State Public Health Laboratoryで行われた検査では、unsubtypable influenza A strain と診断されたが、CDCにおける詳細な検査で、novel influenza A (H1N1) virus感染であることが確認された。 MMWR editorial note:..これら3人の妊婦はいずれも当初、非妊娠女性の感染と臨床的に変わらない、急性発熱性呼吸器疾患の症状を呈していた;1人(患者A)はARDSを発症し死亡した。妊娠していない患者の新型インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染[以下、新型flu]で、最も多く見られる症状は、発熱、咳、咽頭痛である。どのような患者に、新型flu感染による合併症のリスクが最も高いかを結論するには、データが不十分ではあるが、季節性インフルエンザの流行や、これまでにおきたインフルエンザ大流行においては、妊娠女性は非妊娠女性と比較して、概してインフルエンザ関連の有病率および死亡率でリスクが高くなることが示されている。このような合併症リスク上昇は、心血管/呼吸器/免疫系の変化を含む、妊娠に伴う複数の生理的変化に関連したものと考えられている。喘息などの基礎疾患のある妊婦は、特にインフルエンザ関連合併症のリスクが高くなる。妊娠女性はインフルエンザの合併症のハイリスクであるため、the Advisory Committee on Immunization Practices and the American College of Obstetriciansは、女性[妊娠女性?]に対して、3価の不活化インフルエンザワクチン接種を受けるよう勧告している。現在感染循環する新型fluウイルスは、ノイラミニダーゼ阻害抗ウイルス薬であるoseltamivirやzanamivirに対する感受性が認められている。無作為割付の、外来患者に対するplacebo比較試験で、これらの薬剤は、発症から48時間以内に開始されれば、季節性インフルエンザによる症状の重症度と病期を抑制する効果が認められた。また、季節性インフルエンザによる入院患者の観察研究による限られたデータから、発症から48時間経過した後で開始された場合でも、oseltamivirによる死亡率改善が認められている。さらに、oseltamivirとzanamivirは、感染への曝露直後に使用した場合、季節性インフルエンザの高い発症予防効果がある。妊娠中に使用された場合の安全性に関する情報はほとんどない(9.10)。しかし、これまでに得られている限られた情報と、妊娠中のインフルエンザ合併症によるリスクを考慮すると、この新型fluに対して抗インフルエンザウイルス薬を使用することによってもたらされる利益は、胎児に与える可能性のあるリスクの影響を上回ると判断される。従って、CDCの暫定ガイドラインでは、confirmed, probable, or suspected novel influenza A (H1N1) virus infection の妊娠女性に対して、5日間の抗ウイルス薬を内服するよう勧告している。妊娠中のzanamivirの使用も可能であるが、systemic absorption(全身性の吸収)の点で、妊娠女性の治療にはoseltamivirがより望ましい。理論的には、(胎盤などの)呼吸器以外の場所の組織移行(吸収)が高まるほど、より効率的にインフルエンザのloads(負荷)が軽減され、母児間感染が防御されることになる。治療中の非妊娠女性への勧告同様、oseltamivirによる治療は可能な限り早期に開始されるべきであり、理想的には発症から48時間以内である。さらに、新型fluの感染(確定・可能性・疑い)例の入院患者妊婦は全員、発症から48時間以上経過している場合でも、oseltamivirの治療を受ける必要がある。可及的速やかな治療開始が肝要である。さらに、acetoaminophenによる妊婦の発熱の治療も重要で、高体温が胎児や新生児に様々な悪影響を及ぼす可能性がある。妊婦のケアを含む全ての医療現場において、最初に、患者の発熱性の呼吸器疾患の症状についてのスクリーニングが必要であり、このような患者は直ちに隔離して診察を受けなければならない。外来や分娩室では、呼吸疾患のある患者や患者につきそう友人や家族の取り扱い手順を決め、実施すべきである。新型flu感染患者と濃厚接触のあった妊婦は、10日間のzanamivir もしくは oseltamivirによる予防内服を行う必要がある。妊娠中の患者に対する予防内服に、推奨される抗インフルエンザ薬は決まっていない。zanamivirでは、より限定的な組織移行が見られる可能性があるという利点が考えられるものの、投与経路が吸入によるものであるため、咳や強度の鼻うっ血などの呼吸器症状がその有用性を制限してしまうかも知れない。患者Cの診察を行った、妊娠中の医師は、曝露後直ちに予防内服を行っている。重症合併症のリスクの上昇があるため、novel influenza A (H1N1) virus感染流行に対する公衆衛生対応として、妊娠女性を対象とした配慮が必要である。妊娠女性とthe novel influenza A (H1N1) virusに特定される問題についての暫定的ガイドライン http://www.cdc.gov/h1n1flu/clinician_pregnant.htm Additional information regarding novel influenza A (H1N1) virus http://www.cdc.gov/h1n1flu ] 参考文献(のうち9と10) 9. Freund B,et al: Zanamivir: a review of clinical safety. Drug Saf 1999; 21: 267-81 [abstract http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10514019]. 10. Ward P,et al: Oseltamivir (Tamiflu) and its potential for use in the event of an influenza pandemic. J Antimicrob Chemother 2005; 55 (Suppl 1): i5-21 [full article http://jac.oxfordjournals.org/cgi/reprint/55/suppl_1/i5] * Case definitions http://www.cdc.gov/h1n1flu/casedef.htm ** Guidance http://www.cdc.gov/h1n1flu/clinician_pregnant.htm [4] メキシコ- MOH update 情報源: Secretaria de Salud website (MOH)[in Spanish]、2009年5月11日。 http://portal.salud.gob.mx/contenidos/noticias/influenza/estadisticas.html 患者数: 2009: Apr 29 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 11 / 12 確定患者数: 99 / 397 / 443 / 506 / 727 / 866 / 1112 / 1204 / 1364 / 1626 / 2059 / 2282 死者数: 8 / 16 / 16 / 19 / 26 / 26 / 42 / 44 / 45 / 48 / 56 / 58 [5] Canada - Public Health Agency of Canada (17:00 GMT -4) 情報源:Public Health Agency of Canada 、2009年5月12日。 http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/surveillance-eng.php 原文参照願います [6] News briefs: Tue 12 May 2009 Europe: フィンランド - 1st cases confirmed (2 cases), history of travel to Mexico http://news.ninemsn.com.au/health/812885/finland-confirms-two-swine-flu-cases Asia: タイ- 1st cases confirmed (2 cases), history of travel to Mexico http://www.bangkokpost.com/news/local/16557/govt-must-contain-flu |
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