記事日付 | 20090512 |
タイトル | インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(24) case counts |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザA |
概要 | [1] WHO - global updates (06:00 GMT) |
和文 | http://www.who.int/csr/en/ a. Influenza A(H1N1) - update 25 -- 11 May 2009 http://www.who.int/csr/don/2009_05_11/en/index.html 11日GMT6:00現在、30カ国から4694人のインフルエンザA(H1N1)ウイルスの感染者が公式に報告されている。メキシコからは死者48人を含む1626人、米国からは死者3人を含む2532人、カナダからは死者1人を含む284人、コスタリカからは死者1人を含む8人の、感染が確定診断された患者が報告されている。これまでに感染が報告され、死者は発生していない国(原文参照願います) b. 重症度の評価 Assessing the severity of an influenza pandemic - 11 May 2009 http://www.who.int/csr/disease/swineflu/assess/disease_swineflu_assess_20090511/en/index.html 重症患者および死者数から判断されるインフルエンザ大流行の重症度の主な決定因子は、ウイルスが本来持っている毒性である。しかし、他の多くの要因も、パンデミックの影響の重大性に影響する。生来健康であったヒトが当初は軽症であるパンデミックウイルスであっても、今日の高度の移動性があり相互依存的な社会という条件の下では、破壊的な影響を及ぼす可能性もある。その上、ある国は軽症である同じウイルスが、他の国では有病率・死亡率ともずっと高くなる可能性もある。加えて、ウイルスに本来備わっている毒性は、パンデミックが、国内外に波及するいくつもの波を経て、変化する可能性もある。 (ウイルスの特性)インフルエンザパンデミックは、全くの新型、もしくは近年ヒトの間で広範囲な感染循環のなかったウイルスにより発生する。この場合、ほとんど全てのヒトが感染しうる状態が生み出される。これまでパンデミックで全人類が感染したことはないが、ほとんど全てのヒトに感染の感受性がある。ほとんど同時期に大量の発症者が発生することが、パンデミックが社会的・経済的な壊滅をもたらせる要因の1つで、一時的な医療サービスへのoverburden(過重)を伴う可能性がある。ウイルスの感染力もパンデミックの影響の重大性に影響し、限られた地域で短期間に発病してケアを必要とする人の数が増加することにつながるためである。明るい面としては、全世界や国全体で同時に感染の影響を受けるわけではないことがある。ウイルスの感染力は、国内および国際間の感染拡大のスピードに影響する。このこともまた感染流行の影響の重大性に関係し、非常に速いスピードでの感染拡大により、政府や保健当局の対応能力が削がれる可能性がある。パンデミックは通常、ある特定の年齢のグループに、集中して悪影響を及ぼしてきた。経済的生産性のある若年者に疾病や死亡が集中することで、季節性インフルエンザのように幼小児や高齢者に重症例が多く出る場合に比べ、より社会的経済的影響が大きくなる。 (人口の脆弱性)人口全体の疾患脆弱性は重要な因子であり、例えば、心血管疾患・高血圧症・喘息・糖尿病・関節リウマチ・その他の慢性の基礎疾患を持つ人々は、感染による重症化もしくは死亡に陥る可能性が高くなる。このような状態の人が多くなり、栄養状態などの他の因子が結びつくことにより、パンデミックの重大性は有意に影響される。 (後の感染拡大の波)パンデミックの全般的な重大性は、パンデミックが世界中を少なくとも2周、時に3周巡る傾向にあることで、さらに影響を受ける。いくつかの理由で、後に起きる感染の波の影響は、一部もしくはほとんどの国々で劇的に変化する。インフルエンザウイルスの特徴として、その8つの遺伝子分節内の頻繁かつ予測不能な変異があり、特にヘマグルチニン遺伝子で著しいパンデミックの経過中に、より強毒性のウイルスが発生する可能性も否定できない。感染拡大にいくつかのパターンが存在することも、その後の感染波の重症度に影響する。例えば、第1波に主に学童が感染した場合、第2波では、高齢者でより感染脆弱性が増し、感染の矛先が向けられ、高い死亡率を生む結果となる可能性がある。前世紀では、1918年のパンデミックははじめは穏やかであったが、半年後に再び発生し、より致死性の高い型になっていた。1957年に発生したパンデミックも当初軽症であったが、やや重症型となって再発生した。ただし、1918年に比べずっと壊滅的な影響は低かった。1968年のパンデミックも比較的穏やかな症状で始まり、第1波発生以前から散発的に症例が発生し、第2波になっても全てではないがほとんどの国で、穏やかな症状のままであった。 (対応能力)最後に、医療サービスの質は、どのようなパンデミックの影響にも関係する。strong(高度の)医療サービスを有する国々では、軽い症状しか示さないウイルスでも、医療サービスが弱く、器材や抗生物質などの医薬品が限られまたは欠品しやすく、病院は混み合って器材が不足し人員が足りないような他の国では、破壊的影響がもたらされるかも知れない。 (現況の評価)現在まで、H1N1ウイルスに限り、またより一般的には世界人口の脆弱性に関しては、以下のような状況が認められている。H1N1に特異的に観察された項目は暫定的なものであり、数カ国に限られたデータに基づくものである。今回感染流行の原因となったH1N1ウイルスは、これまでヒトでも動物でも確認されたたことのない新型ウイルスである。未だ結論は得られていないものの、専門家らは、今までにこのウイルスに対して獲得された免疫は、低レベルもしくは皆無であるか、または高齢者集団だけに見られる程度と予想している。H1N1は、季節性インフルエンザに比べより感染力が強いと見られている。季節性インフルエンザによる二次性感染は5-15%であるが、現在観察されているH1N1の二次感染率は、22-33%と見積もられている。まだ完全には解明されていないメキシコでの感染流行を除くと、このH1N1ウイルスは、生来健康なヒトにとっては非常に軽症の疾患となる傾向にある。メキシコ以外では、(重症?)患者のほとんどと、全ての死者は慢性の基礎疾患のある患者であった。これまでに発生したよく記録された2大感染流行である、メキシコと米国の流行では、季節性インフルエンザと比較してより若い年齢層に被害が発生している。乳児から高齢者まで、全ての年齢層で患者が確認されているものの、若い患者での重症感染もしくは感染症死が、今回の感染流行初期の目立った特徴となっている。人口集団の脆弱性という点で、基礎疾患のある患者でより重症化したり死亡に至るというH1N1ウイルスの傾向には、特に関心が持たれる。前世紀最後のパンデミックが発生した1968年以後、種々の理由から慢性疾患をもつ患者の割合が劇増している。かつては富裕社会と密接な関係にあると考えられていたこれらの疾患の、地理的分布もまた劇的に変化している。今日WHOは、慢性疾患の85%が中低所得国に集中すると見ている。これらの国々では、慢性疾患の平均的な発症年齢が、世界の富裕国に比べ若くなっている。感染流行早期にある現在、一部の科学者らは、感染が拡大するまでH1N1感染の臨床的な全体像は見えてこないと考えている。また、メキシコ以外では圧倒的に軽症例の多い現時点での臨床像も、変化する可能性があるとみている。感染拡大が続けば、どのような形によるかは全く予想できないが、インフルエンザウイルス自身がもつ変異性以外の種々の要因で、現在の疾病重症度パターンが変化する可能性が考えられる。ウイルス感染が通常のインフルエンザシーズンが始まった南半球に拡大し、感染循環するヒトインフルエンザと遭遇した際に発生するであろう変化に注目している。世界各地の家禽にH5N1鳥インフルエンザウイルスが定着した事実も、もう1つの懸念材料となっている。H5N1ウイルスが、パンデミックが切迫する中でどのような動きをするか、誰にも予想できない。現時点では、H5N1ウイルスは動物のウイルスで、ヒトには容易に感染せず、ヒト-ヒト感染は非常にまれである。 国別(日別)の発生状況[患者数の多い国のみ抜粋] 国名: 患者数(死者) Apr 30 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 カナダ: 19 / 34 / 51 / 85 / 101 / 140 / 165 / 201 / 214 / 242 (1) / 280 (1) / 284 (1) メキシコ: 97(7) / 156 (9) / 397 (16) / 506 (19) / 590 (25) / 822 (29) / 942 (29) / 1112 (42) / 1204 (44) / 1364 (45) / 1626 (45) / 1626 (48) スペイン: 13 / 13 / 13 / 40 / 54 / 57 / 73 / 81 / 88 / 88 / 93 / 95 米国: 109 (1) / 141 (1) / 160 (1) / 226 (1) / 286 (1) / 403 (1) / 642 (2) / 896 (2) / 1639 (2) / 2254 (2) / 2532 (3) 発生報告国数: 11 / 13 / 16 / 18 / 21 / 21 / 23 / 24 / 25 / 29 / 30 合計報告患者数: 257 (8) / 367 (10) / 658 (17) / 898 (20) / 1085 (26) / 1490 (30) / 1893 (31) / 2371 (44) / 2500 (46) / 4379 (49) / 4694 (53) [2] PAHO - Americas regional update (17:00 GMT-4) 情報源: PAHO H1N1 flu website 、2009年5月11日。 http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=view&id=1341&Itemid=569 10日新たに、ブラジル、コロンビア、エルサルバドルで各2名の患者のインフルエンザA(H1N1)感染が確定診断された。... [3] CDC - USA update (12:41 GMT -4) 情報源: CDC H1N1 flu website、2009年5月11日。 http://www.cdc.gov/h1n1flu/ H1N1 flu (swine flu) -------------------- 累積患者数 30 Apr -- 11 May 2009[患者数の多い州のみ抜粋] Arizona: 1 / 4 / 4 /18 / 17 / 17 / 48 / 48 / 131 / 182 / 182 California: 14 / 13 / 24 / 26 / 30 / 49 / 67 / 106 / 107 / 171 / 282 Illinois: 0 / 3 / 3 / 3 / 8 / 82 / 122 / 204 / 392 / 421 / 466 New York: 50 / 50 / 50 / 63 / 73 / 90 / 97 / 98 / 174 / 190 / 190 Wisconsin: 0 / 0 / 0 / 3 / 3 / 3 / 6 / 26 / 240 / 317 / 357 発生州合計: 11 / 19 / 21 / 30 / 36 / 38 / 41 / 41 / 43 / 44 / 44 / 44 全患者数: 109 (1) / 141 (1) / 160 (1) / 226 (1) / 279 (1) / 403 (1) / 642 (2) / 896 (2) / 1639 (2) / 2254 (2) / 2532 (3) / 2600 (3) A new virus emerges ------------------- 新型のinfluenza A (H1N1) はブタ由来の新たなインフルエンザウイルスで、2009年4月に初めて確認された。このウイルスはヒトに感染してヒト-ヒト感染も起き、米国では感染流行拡大が懸念され、世界中でも患者が増加している。国民はほとんどもしくは全くこのウイルスに免疫を持っていないため、今後も同ウイルスによる患者、入院、死亡が増加するとCDCでは見ている。新型のインフルエンザA(H1N1)の活動性は、8日のFluView [http://www.cdc.gov/flu/weekly/]に報告されているように、CDCの2種類の定常インフルエンザ監視システムで確認されている。...The 8 May 2009 FluViewでは、米国内で通常この時期に予想されるインフルエンザ類似疾患(influenza-like-illness)による受診者数を超える数の受診が確認されている。また、検査データによると、米国内では今も通常のseasonal influenza A (H1N1), (H3N2) および influenza B ウイルスの感染が続いているが、novel influenza A (H1N1) と "unsubtypable(型不明)"* viruses が、米国内で確認されるウイルスの相当な割合を占めている。novel influenza A (H1N1) flumも通常の季節性インフルエンザウイルスと同じ経路で感染が広がると見られている:それは主に、ウイルスに感染した患者の咳やくしゃみによる。... [4] Mexico - MOH update (08:30 GMT -5) 情報源:Secretaria de Salud website (MOH)[trans]、2009年5月11日。 http://portal.salud.gob.mx/contenidos/noticias/influenza/estadisticas.html 患者数: 2009: Apr 29 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 11 確定患者数: 99 / 397 / 443 / 506 / 727 / 866 / 1112 / 1204 / 1364 / 1626 / 2059 死者数: 8 / 16 / 16 / 19 / 26 / 26 / 42 / 44 / 45 / 48 / 56 .... [5]カナダ - Public Health Agency of Canada (15:00 GMT -4) 情報源: Public Health Agency of Canada、2009年5月11日。http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/surveillance-eng.php 累積confirmed cases (deaths) of human swine influenza by province, 30 Apr -- 11 May 2009 [患者数の多い州のみ抜粋] 州名: Cases (deaths) as of Apr 30 / May 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 Alberta: 6 / 8 / 15 / 18 / 24 / 26 / 30 / 33 / 42 (1) / 46 (1) / 48 (1) / 52 (1) British Columbia: 11 / 15 / 22 / 29 / 39 / 46 / 54 / 54 / 60 / 79 / 79 / 79 Nova Scotia: 8 / 14 / 16 / 33 / 38 / 48 / 53 / 53 / 56 / 56 / 56 / 57 Ontario: 8 / 12 / 14 / 16 / 31 / 36 / 49 / 56 / 61 / 76 / 76 / 110 発生報告のあった州数: 5 / 6 / 6 / 7 / 8 / 8 / 8 / 9 / 9 / 9 / 9 / 9 合計: 34 / 51 / 70 / 101 / 140 / 165 / 201 / 214 / 242 (1) / 280 (1) / 284 (1) / 330 (1) [6] News brief: 11 May 2009 Americas: キューバ - 1st confirmed case in a Mexican student http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/N11546840.htm |
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