記事日付 | 20090519 |
タイトル | Murray Valley encephalitis-オーストラリア:(05) 西オーストラリアWA |
国名 | オーストラリア   |
感染症名 | MurrayValleyencephalitis |
概要 | Mosquito warning 2009年の2例目の死亡例発生 |
和文 | http://www.watoday.com.au/wa-news/mosquito-virus-warning-20090518-bcae.html 2009年では2例目となる、死亡する可能性のあるMurray Valley encephalitis患者が発生したことを受け、 WA's [Western Australia's 西オーストラリア州]への冬の観光客に対し注意を呼びかけている。ポートへランドPort Hedlandの男性1名が、この蚊族が媒介するウイルスに感染し、Charles Gairdner Hospitalで危険な状態となっている。今年3月には、Broomeの小児1名も感染し、今もPrincess Margaret Hospitalに入院したままであるが、状態は安定している。医療昆虫学の専門家は、当局が、南部はカーナボンCarnarvonまで範囲を広げて、このウイルスの監視対策を継続していると説明した。北部ではこの数ヶ月間あまり雨が降らなかったが、依然として蚊族の発生があり、今後北部地域の住民もしくは旅行者にとって、蚊族刺咬対策はとりわけ重要との説明があった。初期症状としては、発熱、傾眠、頭痛、項部硬直、吐き気、めまいなどがある。いずれかの症状があれば、すぐに医療機関を受診すべきである。重症化すれば、けいれん、昏睡が起き、後遺症や死亡に至る可能性がある。特異的な治療法はない。乳児、幼児、北部への旅行者や新たな移住者などは、最もこのウイルスに感染しやすい。日没後に屋外に出ない、長袖長ズボンの着用、昆虫忌避剤の使用、蚊帳などが有用である。より軽症の、類縁であるKunjinウイルスも北部では確認されており、過去3ヶ月間に、Ross RiverやBarmah Forest virusesの患者も130人以上が発生している。 [Mod.CP注-Murray Valley encephalitis virus (MVEV) は、北部オーストラリア(Western Australia and the top end of the Northern Territories)に地方病感染を起こしている。自然界では、MVEVは、鳥類-蚊族-鳥類のサイクルで増殖し、ヒトは感染蚊族による刺咬により感染を受ける。MVEVの活動性は、豪雨や洪水のあと高まる。オーストラリア北部では、MVEの散発発生や小集積が数年毎に主に雨期に発生する。血清学的調査により、感染したヒトのなかで発病するのは、800-1000人に1人しかいない。発病したヒトのうち、25%が死亡し、ほか25-50%が神経学的後遺症を残す。MVEVの一次保有宿主は水禽であり、Ardeiformes (herons アオサギ), 特に the Rufous Night-heron, と the Pelicaniformes (cormorants/darters ペリカンの感染)が最も多い。流行時の主要ベクターは_Culex annulirostris_で、 _Cx. australicus_ and some _Ochlerotatus_ species などの蚊族もMVEV生態の他の側面で関与している。 ファクトシート Murray Valley encephalitis virus from the Australian Government Department of Health and Ageing Fact Sheet http://www.health.gov.au/internet/main/Publishing.nsf/Content/health-arbovirus-pdf-fsmurrayvalley.htm |
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