記事日付 | 20090519 |
タイトル | インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(34) |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザA |
概要 | [1] Albertan swine virus sequenced(アルバータ州のブタのウイルスの塩基配列解析完了) |
和文 | http://www.inspection.gc.ca/english/corpaffr/newcom/2009/20090515e.shtml the Canadian Food Inspection Agency's (CFIA) National Centre for Foreign Animal Disease (NCFAD 国立輸入動物疾患センター)の専門家らにより、アルバータAlberta州でブタから分離されたウイルスの、全遺伝子塩基配列が解析された。この結果、世界中のウイルスとその動物への影響の研究に携わる科学者らに有用な貢献となる。...現在は、H1N1ウイルスはブタにどのような影響を与えるかに焦点が絞られている。さらに研究が必要だが、初期の研究結果から、一般的に見られるブタのインフルエンザに感染したときと同じように、感染動物は発病するが自然に回復するのではないかと考えられている。他の動物にも感染するのか、CFIA当局は調査を続けている。... [Mod.CP注-今回の解析が完了したことで、2009年の新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスに感染した農場労働者との接触後にAlberta州の農場のブタで発生した感染流行は、このウイルスが原因であったことが確認された。幸い、ブタへの感染伝播による、農場内の他のヒトへの伝播はこれまでのところ発生せず、ブタの症状も軽い] [2] Clarification and comment 投稿者:英・Veterinary Laboratories Agency (VLA)、Richard Irvine and Ian Brown、2009年5月18日。 20090516.1835に紹介された論文の要約版および編集版が出版されたことをうけて、以下のような見解を述べたい。 On 2 occasions(2個所で)、編集版において"new variant of H1N1 virus contains 3 of 8 gene segments (encoding for the neuraminidase and matrix protein genes) that do not appear typical of the genes seen in current North American strains."と述べられているのは、正しくない。オリジナルでは"2 of 8 gene segments"となっている点を明らかにしたい。 The full, unedited version of the article http://veterinaryrecord.bvapublications.com/cgi/content/full/164/19/577 [3] Indiscriminate use of Tamiflu(タミフルの無差別使用) 投稿者:シンガポール・National University Hospital、Dr Julian W Tang、2009年5月18日。 日本におけるA(H1N1/2009)患者の急激な増加において、Tamiflu (oseltamivir)の耐性に対する監視を行うのが賢明な策である。香港のRoche社の代表の1人は、日本国内で、世界で使用されるタミフルの70%が消費されていると語っている(鳥インフルエンザや新型H1N1/2009登場以前から)。もし、どこかの国でnew A(H1N1/2009) virus に対するタミフル耐性が発生するとすれば、真っ先に日本で発生する可能性が高い。言語の壁によって、この現象が公になるのが遅れるかも知れない。しかし、現在多くの国(特に欧州)では、かつて使用が勧められていなかった症例(例えば慢性疾患や免疫不全のない、生来健康な、合併症を起こしていない、季節性インフルエンザウイルスに感染した成人の患者)にも、new A(H1N1/2009) virusの感染伝播拡大を抑える目的でタミフルが使用されている。もしこの状況が続けば、皮肉なことだが、日本以外の世界の国々も、日本と同程度に、タミフル耐性の発生源と成ってしまうだろう。このような方針は、もしウイルス感染の拡大を阻止できなかった場合には、さらに致死率が高まる可能性が考えられているパンデミック第2波が発生し、重症化してタミフルが必要となった患者に、タミフルが効かないという、counter-productiveな結果を生むかもしれない。 [Mod.CP注-non-urgentな状況で無節操にタミフルを使用することで、タミフル耐性ウイルスへの進化が加速されるかも知れない...幸い、季節性インフルエンザでは、タミフル耐性が常に、もう1つのノイラミニダーゼ阻害薬であるリレンザへの交差耐性を伴っている訳ではない] |
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