感染症速報詳細

記事日付 20090523
タイトル インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(41) case counts
国名 世界各国    
感染症名 インフルエンザA
概要 [1] WHO - global update (06:00 GMT)
和文 http://www.who.int/csr/don/2009_05_22/en/index.html
感染症情報センター  http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009who/update36.html
(2009年5月22日6時00分世界標準時(訳注:日本時間 5月22日午後3時00分)現在、42カ国が合計11,168例のインフルエンザA(H1N1)感染を公式に報告しており、この中には86名の死亡者が含まれる。 国別の検査確定症例数*の内訳は、下記の表と地図**により提供される。...)
Influenza A (H1N1) - update 36 -- 22 May 2009(抜粋)
Summary table of cumulative cases reported to WHO 1 May 2009 -- 22 May 2009
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Country: No. cases (deaths) May 1 / 8 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22
カナダ: 34 / 214 / 449(1) / 496(1) / 496(1) / 496(1) / 496(1) / 496(1) / 719(1) / 719(1)
コスタリカ: 0 / 1 / 8(1) / 9(1) / 9(1) / 9(1) / 9(1) / 9(1) / 20(1) / 20(1)
日本: 0 / 0 / 4 / 4 / 7 / 125 / 159 / 210 / 259 / 294
メキシコ: 156(9) / 1204(44) / 2446(60) / 2895 (66) / 2895(66) / 3103(68) / 3648(72) / 3648(72) / 3892(75) / 3892(75)
パナマ: 0 / 0 / 40 / 43 / 54 / 54 / 59 / 65 / 69 / 73
スペイン: 13 / 88 / 100 / 100 / 103 / 103 / 103 / 107 / 111 / 113
英国: 8 / 34 / 71 / 78 / 82 / 101 / 102 / 102 / 109 / 112
米国: 141(1) / 896(2) / 4298(3) / 4714(4) / 4714(4) / 4714(4) / 5123(5) / 5469(6) / 5710(8) / 5764(9)
発生報告国数: 13 / 25 / 34 / 36 / 39 / 40 / 40 / 41 / 41 / 42
報告された全患者数 367(10) / 2500(46) / 7520(65) / 8451(72) / 8480(72) / 8829(74) / 9830(79) / 10 243(80) / 11 034(85) / 11 168(86)
[2] PAHO - Americas regional update (18:00 GMT-4)
情報源: PAHO H1N1 flu website 、2009年5月22日。
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=blogcategory&id=814&Itemid=1167
ホンジュラスのサンペドロスラ市で21日、初めての患者(9才女児)が確認された。
[3] CDC - USA update (11:00 GMT -4); hospitalized cases
情報源:CDC H1N1 flu website、2009年5月22日。
http://www.cdc.gov/h1n1flu/
H1N1 flu (swine flu)
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Cumulative total of laboratory confirmed cases (deaths), by state, 1 May -- 22 May 2009
州別発生報告数
[4] Mexico - MOH update (09:00 GMT-4)
情報源: Secretaria de Salud website (MOH) [in Spanish]、2009年5月22日。
http://portal.salud.gob.mx/contenidos/noticias/influenza/estadisticas.html
Case counts: May 1 / 8 / 15 / 19 / 20 / 21 / 22
確定された患者数: 397 / 1364 / 2895 / 3648 / 3892 / 4008 / 4174
死者数: 16 / 45 / 66 / 72 / 75 / 78 / 80
[5] Canada - Public Health Agency update (16:00 GMT-4)
情報源: Public Health Agency of Canada、2009年5月22日。
http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/surveillance-eng.php
州別発生報告数
[6] Japan - National Institute of Infectious Diseases
a. Narita(成田空港検疫所で発見された集団発生)
Epidemiological investigation of a novel influenza A (H1N1) outbreak detected by entry screening, Narita, Japan, 2009 -- Preliminary report
投稿者:感染研・ Nobuhiko Okabe、2009年5月22日。
IDSCの日本語のサイト http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/epi_narita.html
2009年4月24日に、各市の国際交流事業として、大阪府からデトロイト経由でトロントTorontoを訪れた、3つの学校の高校生30人(2年生14人、3年生16人)と教師6人のグループは、いくつかの活動の間に現地学生の自宅でホームステイを行い、現地の高校にも登校した。5月8日、デトロイト空港を経由して成田空港に到着した。このうち3人に症状が認められ、空港での機内検疫によって新型インフルエンザA(H1N1)の感染が確認された。患者らは予め指定されていた隔離用病院に入院し、他の33人の参加者と、確認された患者周辺にいた14人の乗客らおよび2人の客室乗務員らは、指定宿泊施設にとどまって医療監視を受けるよう指示された。観察期間中に発病したのは1人だけで、新型インフルエンザA(H1N1)の感染が確認された。厚労省(MHLW)からの要請により、感染症情報センターと感染研の研修コース参加者らからなるチームによる、交流事業参加者に対する疫学調査が行われた。...(以下、IDSCからの抜粋 原文はオリジナルを参照願います)確定例は4例(生徒3名、教員1名)、疑い例は8名(生徒のみ)が探知され、確定例はすべてA高校所属であった。..確定例はすべて38度以上の発熱と咳嗽を示し、うち3例はさらに鼻汁もしくは鼻閉、咽頭痛、関節痛等を示していた。1例が腹痛をしめしていたが、嘔吐、下痢等の腹部症状を示したものはいなかった。疑い例の一部は、RT-PCR検査が実施され、新型インフルエンザ陰性と判定されたようであるが、詳細な情報を得ていない。ただし、疑い例には、38℃以上の発熱を示した症例はいなかった。...確定例となった1例をのぞく停留者は、停留期間中に新型インフルエンザを疑わせる発症がみられなかったため、5月15日夕方に停留解除となった。..5月20日までに全員が退院となった。
b. Kobe City(神戸市における臨床像)
情報源: National Institute of Infectious Disease 、2009年5月19日。
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza_e/idsc_e2009/clinical_epi_kobe.html
日本語 http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009idsc/clinical_epi_kobe.html から抜粋

○背景 
2009 年5月16日、日本で初めてとなる新型インフルエンザA(H1N1swl)の最初の3例が神戸市によって報告された。..本要約は、5月19日までに神戸市内において確定例となり、入院あるいは外来にてフォローされた43例について、国内事例の臨床像に関する情報を医療機関に迅速に提供し、新型インフルエンザの診療の資することを目的としている。...
○患者属性・基礎疾患の有無 
患者は43例で、年齢中央値は17歳(5〜44歳)で、殆どが10代後半の若者あった。男女比は1:1.3(19例:24例)である。基礎疾患についての情報を得られた者が38例あり、気管支喘息6例15.8%。糖尿病、心疾患、免疫不全、悪性腫瘍などの背景を持つ者はいなかった。24例の女性の中で、妊娠の可能性があると答えた者はいなかった。
○季節性インフルエンザワクチン接種歴および2008-2009年シーズンのインフルエンザ罹患
..2008-2009年冬季のインフルエンザ罹患歴については、情報の得られた40例中3例(7.5%)が、インフルエンザに罹患したと患者本人が答えた。
○インフルエンザ迅速検査
43例全例の新型インフルエンザ検査確定例(RT-PCR陽性者)について情報を得られた。発症日から迅速検査の検体採取日までの中央値は1日(0-4日)であった。迅速検査A型陽性の診断は23例(53.5%)についてなされていた。一方、迅速検査A型陰性の診断は 20例(46.5%)であったが、これは発症から検査までの期間が短いことも影響していると考えられる。
○入院時の臨床像
43 例の入院時の臨床像;約90%に38℃以上の高熱、60〜80%の頻度で倦怠感、熱感、咳、咽頭痛があり、鼻汁・鼻閉、頭痛は約半数において認められた。嘔吐や下痢の消化器症状は約10%弱に、結膜炎は7%に認められた。
○入院時の検査所見 省略(肺炎を疑われた症例はなかったため、胸部レントゲンは検査されていない
○治療の概要
43例中39例が抗インフルエンザウイルス薬の投薬を受けていた。投与の内訳は、タミフルが19例、リレンザ吸入が20例であった。...
○入院適応
患者の大半は入院を要する臨床状況ではなかった。5月19日現在、人工換気を行う対象者は無く、また、死亡例も発生していない。...
(参考)入院が必要と考えられた一例
症例: 20歳代の女性。5月16日夕方より頻回の下痢と38℃台の発熱出現*、咳(-)、鼻水(-)、咽頭痛(-)、頭痛(+)、下腹部痛(++)、関節痛(+)、悪心(-)、全身倦怠感(+)、にて入院となる。現症として咽頭は軽度発赤しており、下腹部に圧痛がある以外には著変を認めない。この日の検査データとしては、末梢血で白血球 5100/mm3、血小板 17.0 x 104/μl、 CRP 9.2mg/dl、咽頭拭い液あるいは鼻汁にて行われたインフルエンザ迅速検査A(-)B(-)、RT-PCRにてインフルエンザA (H1N1swine)陽性であった。タミフル、ブスコパンを処方され、輸液が行われた。5月19日現在、依然入院中だが、臨床症状は徐々に改善している。腹痛の原因については精査中である。
Interim report on clinical presentation of the novel influenza A (H1N1) cases reported from Kobe City
[7] News brief: Fri 22 May 2009
欧州:
Russia - 1st confirmed case, Moscow, history of travel to the USA
http://www.pennlive.com/newsflash/index.ssf?/base/international-3/124300444347070.xml&storylist=health

原文リンク