感染症速報詳細

記事日付 20090603
タイトル リフトバレー熱-サウジアラビア:注意喚起
国名 サウジアラビア    
感染症名 リフトバレー熱
概要 Rift Valley fever Alert
和文 http://www.middle-east-online.com/english/?id=32394
リフトバレー熱は、主に動物に感染し死亡させるが、ヒトにも感染することのある、蚊族により伝播されるウイルスであるが、新聞各紙は、新たな感染流行の発生に対する注意を呼びかける報道を行っている。2000年、サウジアラビアでは863人が the RVF virusに感染し、このうち120人が感染した。イエメンでは1000人以上の感染(うち121人死亡)が発生している。ジェッダJeddah およびメッカMeccaでRVFの感染例が発生したことから、サウジアラビア国内で不安が広がっている。政府衛生当局の話として、5月以降Jeddahで33人、Meccaで103人の感染が公表されていると報じられた。4月12日、20才と22才のサウジアラビア人の男女各1名が、ウイルス感染により死亡したことが報道された。翌日には、メッカの病院に100人以上のRVF患者が入院中であると、別の新聞が報じた。患者のほとんどは、直ちに治療を受けすでに退院している。5月28日、Anaweenはウェブサイト上で、米国の会社が、化学物質によらない生物学的な方法で、RVFウイルス[ベクターのこと?]を排除するために招請されたことを明らかにした。
[Mod.CP注-Rift Valley Fever (RVF リフトバレー熱)はウイルス性の人獣共通感染症であり、主に動物に感染するが、ヒトに感染することもある。感染により、動物でもヒトでも重症化し、高率に死亡する。RVFに感染した家畜が死亡したり流産したりすることによる経済的損失も大きい。ヒトでのRVF感染流行が発生するに先行して、家畜で大きな感染流行がおきるのが通例である。従って、サウジアラビアからの現在の報告は、注意して取り扱う必要がある。WHOのファクトシート( http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs207/en/index.html )によると、ヒトでの感染はほとんどが、感染した動物の血液や臓器との、直接・間接の接触の結果おこる。RVFウイルスはslaughtering(屠殺) or butchering、出産介助、獣医学的処置、死体や胎児の取り扱いなどで、動物にさわることで成立している。牧畜、農業、屠殺場、獣医師などの特定の職種では、感染リスクが高くなる。汚染されたナイフで傷つけられたり、キズに触れたりしてウイルスが注入された場合や、屠殺の際に発生するエアロゾルを吸い込んだりした場合にも、感染がおきる。また、未殺菌または加熱が不十分な、感染動物のミルクの摂取により、RVFに感染する可能性があるいくつかの証拠が示されている。また、主にthe _Aedes_ spp(ヤブカ属)の感染蚊族の刺咬や、hematophagous (blood-feeding) flies  吸血ハエにより、ヒトに感染することもある。これまでに、RVFのヒト-ヒト感染の報告はなく、標準予防策を行っている医療従事者へのRVF感染も報告されていない。都市部でRVF感染流行が発生した形跡もない。]
地図 Saudi Arabia http://www.lib.utexas.edu/maps/cia08/saudi_arabia_sm_2008.gif

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