記事日付 | 20090613 |
タイトル | クリミアコンゴ出血熱-トルコ:(06) AP92-like strain |
国名 | トルコ   |
感染症名 | クリミアコンゴ出血熱 |
概要 | Crimean-Congo hemorrhagic fever, AP92 strain - Turkey タイトル: The first clinical case due to AP92 like strain of Crimean-Congo Hemorrhagic Fever virus and a field survey |
和文 | http://www.biomedcentral.com/1471-2334/9/90/abstract 要約(暫定) 背景:Crimean-Congo hemorrhagic fever virus (CCHFV クリミアコンゴ出血熱ウイルス) 感染は致死性であるが、AP92 strainによる患者は報告されたことがない。われわれは、AP92-like CCHFVによる初めての感染例を報告する。 方法:トルコ・バルカンBalkan地方で、1名のAP92-like CCHFVによる感染例が確認された。RT-PCR法と遺伝子配列解析により、診断が確定された。患者発生地域で、ヒトの血清学的調査とベクターダニのサーベイランスを行った。 結果:741人の調査で、38人に抗CCHFV IgM抗体が確認された。全体的なCCHFV感染率は5.2%と計算された。一変量解析で、CCHFV IgM陽性(感染)との関連性が認められたのは、年齢(p>0.001)、男性(p=0.001)、農業(p=0.036)、ダニ刺咬歴(p=0.014)である。多変量解析では、高齢(OR:1.03,CI:1.01-1.05,p<0.001)と男性が、CCHFV感染のリスクファクターであることが分かった。 結論:AP92-like CCHFVによる、ヒトでの初感染例である。さらに、トルコにおけるAP92-like strainの初報告である。この地域では、高齢男性で、CCHFV感染のリスクが最も高い。 [Mod.CP注-Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF クリミアコンゴ出血熱)は、ヒトの重症出血熱であり、致死率は最大50%になる。CCHFの病原体は、ダニ媒介性のthe family _Bunyaviridae_(ブニヤウイルス科), genus _Nairovirus_(ナイロウイルス属の)ウイルスである。ヒトへは、感染したダニ刺咬や押しつぶし、ウイルス血症の動物やヒトとの直接接触を介してウイルス伝播される。CCHFの感染流行は、アフリカ、中東、東欧、西アジアなど、ベクターで保有宿主でもあるダニ_Hyalomma_ sppがいる地域で、報告されている。CCHFウイルスの分子学的・生物学的解析の最近の進歩により、このウイルスは、他のブニヤウイルス属のウイルスに比べ、より多くのタンパクをエンコードして(遺伝情報を有して)おり、ウイルスタンパクの生成過程が複雑であることが分かった。CCHFの遺伝子配列には多様性が見られ、7つの異なるクレードcladeにグループ分けされている。CCHFのS-RNAとL-RNA segments に基づく系統発生解析から、この7つのcladeは地理的分布との関連性があることが判明した。バルカンBalkan半島、ロシア、トルコ全域で確認されたCCHFウイルスは、遺伝的解析により6つのcladeに分けられている。例外は、Greek strain, designated AP92で、1976年にダニから分離された。現在までの報告によると、このウイルス株は、ヒトでの疾患発生との関連性がなく、不顕性感染だけに関連するものと考えられてきた。上記の報告では、トルコでAP92-like virusが聞知され、軽症例との関連が認められている。この新たに分離されたウイルス株は、AP92-like と呼ばれ、さらに解析が進めば、 recombinant/reassortant virusであることが判明するかも知れない。] 全文 http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2334-9-90.pdf |
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