感染症速報詳細

記事日付 20090613
タイトル ダニ媒介性脳炎-ドイツ:リスク地域
国名 ドイツ    
感染症名 ダニ媒介性脳炎
概要 Updated risk areas for tick-borne encephalitis in Germany
和文 http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19236
2009年5月4日発行のドイツ・the Epidemiologisches Bulletin of the Robert Koch-Institut (RKI)には、ドイツ国内のtick-borne encephalitis (TBE ダニ媒介性脳炎)の最新のリスクエリアマップが掲載されている。TBEが地方病感染の状態にある地域と、専門家らから予防対策を行うことが望ましいとされた、ダニ曝露のリスクがある地域である。予防対策としては、ダニに曝露する現地住民、リスク地域への旅行者、および職業上曝露のある人々へのワクチン接種が含まれる。この最新マップによると、ドイツ国内南部地域の、とりわけBaden-WurttembergおよびBavaria州に、ダニ刺咬によるTBEウイルス感染のリスクがあるとされている。このTBE risk mapは、2002年から2008年までの期間に、RKIに報告されたTBE症例に基づくものである。この間に、1917例のTBE症例が報告され、年間の報告数は238-546例で、2008年は288例であった。5年間(2002,2006,2003,2007,2004,2008年)の報告期間から、地区ごとの5 year TBE incidences(5年分の発生数)を作成した。ある特定の地域のおける、ワクチン接種カバーによるリスクの過小評価を避けるため、district regionと呼ぶ、当該地域に隣接地区を加えた地域の報告者数を作成した。ある地区がリスクエリアとされるのは、the district もしくは the district region での発生率が、5年分の発生数として、人口10万対1を大きく超えた(p>0.05)場合とした。2008年、136の地区がTBE risk sreasに分類され、このうち初めて指定されたのは4か所あった
-- 42 districts in Baden-Wurttemberg (1 additional district);
-- 78 districts in Bavaria (3 additional districts);
-- 8 districts in Hesse (unchanged);
-- 7 districts in Thuringia (unchanged); and
-- 1 district in Rhineland-Palatinate (unchanged).
添付報告では、TBEリスクについて、州ごとに以下のようにまとめている
-- federal states with defined TBE risk areas(明らかなリスクがある): Baden-Wurttemberg, Bavaria, Hesse, Rhineland-Palatinate, Thuringia;
-- federal states with isolated cases of autochtonous TBE, in which no district fulfils the criteria of a TBE risk area(地域内TBEの症例が発生し、TBE risk areaの基準は満たしていない): Brandenburg, Mecklenburg-West Pomerania, Lower Saxony North Rhine-Westpfalia, Saarland, Saxony, Saxony-Anhalt
-- federal states in which no TBE cases have been diagnosed(TBE患者が報告されていない): Schleswig-Holstein, Hamburg, Bremen, Berlin.
さらに、報告では、南部の州に限定して、過去数年間に徐々にリスクエリアの拡大があると述べられている。...以上の疫学criteriaに基づき、ドイツワクチン委員会は、ダニへの曝露リスクが確認されている地域の住民に対するTBEワクチン接種を推奨している。自治体の衛生当局として、TBEに対するワクチン接種が勧めているのは、Baden-Wurttemberg州で、地区に関わらず接種を勧めている(risk areaに分類されていないのは、2地区のみ)。

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