感染症速報詳細

記事日付 20090617
タイトル 発疹熱 Murine typhus-米国:(テキサスTX州)
国名 米国    
感染症名 発疹熱Murinetyphus
概要 発疹熱に感染した疑いのある3人の調査を行っている
和文 http://www.news8austin.com/content/your_news/default.asp?ArID=243180
Williamson County and Cities Health District当局は、murine typhus(発疹熱), もしくは fleaborne typhus(ノミ媒介性チフス)と呼ばれる疾患に感染した疑いのある3人の調査を行っている。このほか、Travis Countyからも患者が報告されている。ヒト-ヒト感染はなく、感染したノミの刺咬により伝播される。rats, miceや犬猫などの小動物に付くノミで、高熱、激しい頭痛、発疹などの症状が見られる。重症例では入院を必要とすることがあるが、死亡することはまれである。予防策として、齧歯類やノミを遠ざけ、DEETを使用することが勧められている。
[Mod.LL注-チフスの名前が付いた疾患には、epidemic typhus, Brill-Zinsser disease (recrudescent epidemic
typhus), murine typhus, scrub typhus, and typhoid (so-called because it is typhus-like)がある。typhusの語は、ギリシャ語で-- to smoke --を意味する _typhein_ に由来する。患者の精神的にthe smoky or clouded (曇った)状態を表すのに用いられた。_Rickettsia typhi_を起因菌とするMurine typhusは、世界中に広く分布し、特に温暖・湿潤な亜熱帯および熱帯気候の沿岸地方に多い。テキサス州で地方病感染していることは明らかではあるが、2004年以降増加傾向にある。先進国の中では、米国南部の大西洋沿岸州、カリブ諸国、米国南西部太平洋沿岸州、そしてハワイHawaii州などである。欧州では、地中海沿岸と、アフリカの大西洋および地中海沿岸地方である。人獣共通感染症で、ratsは無症候性保有宿主であり、最も一般的なベクターはOriental rat flea _Xenopsylla cheopis_である。沿岸部での発生が一般的であるが、輸送の大動脈を通って沿岸部から離れた場所に広がることもある。リケッチアに感染したノミの糞を、リケッチアの刺し口に擦りこむことが、ヒトでの主な感染経路とされているが、リケッチアの刺咬そのものや、糞のエアロゾル化によっても、感染伝播される。発疹熱は比較的軽症の疾患である。急性期の入院患者のうち、集中治療を必要とするのは10%にすぎないが、1-4%が死亡する。診断は、血清学的検査による。しかし、皮膚病変の塗沫もしくは培養によるrickettsiae の同定も、特定の検査機関で可能である。成人の一般的な治療法は、1日2回のdoxycycline 100 mgを3-5日間行うものである。感染の活動性が高い地域は、the Rio Grande valley (southern Texas) と the Los Angeles areaである。米国では、1944-1953年の間は、19663例(1944年に5401例)の患者が報告されていたが、1990年には全米で50例、1993年には25例となり、1994年に報告義務のある疾患からはずされた]

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