感染症速報詳細

記事日付 20090621
タイトル Bordetella hinzii、鳥類-米国:20090620.2263
国名 米国    
感染症名 Bordetellahinzii
概要 Avian Bacterium More Dangerous Than Initially Believed
鳥類の細菌が、かつて考えられていたより危険であった
和文 http://www.ars.usda.gov/is/pr/2009/090618.htm
_Bordetella hinzii_ は、鳥類の細菌の、the Eddie Haskellにほかならないかもしれない。1950年代のテレビショー "Leave It to Beaver" の、この卑劣な悪役のように、_Bordetella hinzii_は被害を発生させては、責任を逃れていた。最近まで、_B. hinzii_は家禽にとって病原性がないとされていた。しかし、Agricultural Research Service (ARS 農業研究局)の研究者らにより、同菌は、他のBordetella speciesの細菌によるとされていた、シチメンチョウの重症疾患の原因であることが判明した。_B. avium_は、家禽と野鳥の上気道疾患の病原体である。この菌は、_B. hinzii_に非常に類似しており、DNA-based testsという極めて特異性のある検査でなければ、2つの菌を区別することはできない。the ARS National Animal Disease Center (NADC)では、シチメンチョウを100%死滅させたBordetella 菌の分離株について、この方法を用いて検討したところ、これまで_B. avium_に分類されていた菌は、実際には_B. hinzii_, であり、家禽に対する病原性がないと広く信じられていたのは間違いであることが判った。_B. hinzii_ は、呼吸器疾患のある家禽で発見されるが、同菌によるニワトリやシチメンチョウの感染実験では発病が見られず(failed)、病原性はないと考えられてきた。同菌の病原性を調べる目的で、NADCの微生物学の専門家らは、6種類の遺伝学的に異なる_B. hinzii_菌株を選び、シチメンチョウのヒナpoultsに感染させた。このうち4種類は成育し、気管に定着し、臨床症状を示した。菌株によって重症度の違いが見られたが、100%の致死率を示す菌は認められなかった。今回の研究は、_B. hinzii_ の一部が、シチメンチョウに病原性を示す、初めての報告となった。この報告は、2009年3月のAvian Diseasesに掲載された。ニワトリにおける関連実験では、いずれも発病せず、ニワトリにまで病原性があるとするには至らなかった。現在、NADCでは、病原性を示した細菌の違いを調べている。また、シチメンチョウのヒナの発病に関与した病原性因子の同定にも取り組んでいる。ARSは、USDA(米農務省)の主要な内部科学的研究機関である。

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