感染症速報詳細

記事日付 20090621
タイトル A郡連鎖球菌 Streptococcus、猩紅熱-ベトナム:20090620.2264
国名 ベトナム    
感染症名 A郡連鎖球菌Streptococcus
概要
和文 http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=02HEA190609
保健相は、2008年との比較で、猩紅熱の患者数が40%増加していることを受け、猩紅熱と麻疹に対する予防策の強化を、自治体当局に指示したと述べた。2009年の現在までに、23000人の患者が報告されており、前年比100-300%増のDong NaiおよびKien Giang省とCan Tho市など、南部において患者が発生している。第1小児病院は、連日30人の新たな猩紅熱患者を受け入れていると、同相は説明した。中央小児病院の医師は、8月から9月にかけて、猩紅熱は感染流行レベルに達する可能性があると述べた。市民に対しては、蚊帳の中で休み、周辺の環境整備を行うよう呼びかけている。2日以上続く高熱のある患者は、病院で治療を受けるべきと話している。麻疹患者も増加しており、1日あたり25例の患者が入院している。暑さのため、多くの患者らは体力を消耗していると言う。保健省は自治体当局に対して、蚊族に対する殺虫剤噴霧と患者発生地区の消毒の計画書を立案し、予算の30%を麻疹と猩紅熱対策に当てるよう求めている。これらの対策を行わない場合は、ペナルティが課せられる。
[Mod.ML注-Scarlet fever猩紅熱は、erythrogenic toxin(発赤毒素)を産生するgroup A beta-hemolytic streptococci (GAS A郡β様連菌)による感染症である。咽頭感染と関連性があることが多いが、皮膚のGAS感染に引き続いて猩紅熱を発症することもある。GAS咽頭炎は、冬期間に、感染した患者や無症候性のキャリアからの呼吸飛沫による空気感染で伝播されるのに対して、皮膚GAS感染は、多湿の熱帯及び亜熱帯気候でよく見られ、個人の不衛生、ヒト-ヒトの接触につながる人口密集状況、昆虫による刺咬などの小さなキズなどに関係する。このことから、ベトナムの衛生当局によって蚊族対策の指示が出されることになったのだと思われるが、麻疹の感染性は強く、感染した患者などの咳やくしゃみなどにより最大となる、呼吸飛沫による空気感染であり、麻疹の予防策は、小児期に弱毒生ワクチンを定期接種することが最良の方法である]

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