感染症速報詳細

記事日付 20090626
タイトル インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(76) comments on 1918 virus (03)
国名 世界各国    
感染症名 インフルエンザA
概要 Re: ProMED-mail Influenza A (H1N1) - worldwide (71): comments on 1918 virus (02)
20090619.2262について
和文 過去のパンデミックに関する理解の多くは、正確な確認する方法がないまま、インフルエンザによるとされた死亡に基づいている。近年インフルエンザ検査は進歩したが、確定される患者数や死亡者数は、実際の数に比べてかなり少ないと考えられる。2009年のパンデミックにおける検査実施率は、相当数の患者が発生した地域のほとんどで、2009年4月前半に比べ相当減少しており、確定患者数による流行曲線の解釈を複雑(困難)にしている。テスト実施パターンのこのような変化が、週報の死者数に与える影響は少ないと思われる。死亡患者においては、H1N1ウイルス感染についての検査確認と、パンデミックH1N1ウイルスによる死亡であることの確認が行われているはずである。北半球の春/夏にパンデミック宣言された現在の流行と、1918年のパンデミックに先立って、コペンハーゲンCopenhagen やイングランドEnglandで見られたthe summer waveとの類似性は、多くの人々に、2009年秋や2010年冬のより深刻な流行waveを予感させている。米国の新型インフルエンザA(H1N1)による死者数が、過去7週間で毎週ほぼ倍増していることは注目に値し、感染伝播率は、1918のsummer wavesより季節性インフルエンザにより近いことを示唆している。いずれの研究でも、第2の秋の流行では、それ以前の春の流行に比べ、感染伝播率が低下したことが示されている。また、米国におけるthe 2nd / fall waveの感染伝播率は、1st/fall waveより遅速であり、spring/summer waveに関する手がかりはほとんどない。もし、1918パンデミックが(今回流行の)ガイドとしてふさわしいものであるとすれば、2009年秋に予想される第2波における伝播率のさらなる低下は、その都市で深刻なsummer waveが発生する可能性を示すはっきりした指標となる。
参考事項
1. Co-morbidities associated with influenza-attributed mortality, 1994-2000, Canada. Vaccine 26(36): 4697-703 [abstract http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18620016 ].
2. Epidemiologic Characterization of the 1918 Influenza Pandemic Summer Wave in Copenhagen: Implications for Pandemic Control Strategies. J Infect Dis 197(2): 270-8 [abstract http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18194088 ].
3. The 1918-1919 influenza pandemic in England and Wales: spatial patterns in transmissibility and mortality impact. Proc Biol Sci 275(1634): 501-9 [abstract http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18156123 ].
4. The effect of public health measures on the 1918 influenza pandemic in U.S. cities. Proceedings of the National Academy of Sciences 104: 7588-93 [ http://www.pnas.org/content/104/18/7588.full ]

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