感染症速報詳細

記事日付 20090627
タイトル 細菌性赤痢-ノルウェー、デンマーク:ケニアから、輸入sugar peas 疑い 20090626.2328
国名 ノルウェー    
感染症名 細菌性赤痢
概要 [1] Norway
_Shigella sonnei_ infections in Norway associated with sugar peas, May-June 2009
sugar peasが関係する、ノルウェーでの赤痢菌感染 2009年5月-6月
和文 http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19243
ノルウェーでは、赤痢は報告義務のある疾患であり、分離菌は全て国立公衆衛生研究所に提出され、確認検査および型診断が行われる。年間約150例の赤痢患者が確認されており、その大部分が_Shigella sonnei_による感染であった。毎年、ノルウェー国内での赤痢感染は10-20例程度であり、ほとんどが家庭内での糞口感染による二次感染患者である。2009年5月27日、NIPHの国立中央研究所Reference Laboratory は、4例の_Shigella sonnei_感染患者が関係する集団発生疑いの報告を受けた。患者らは、国内の異なる2つの郡の住民で、発症前の海外渡航歴はなかった。同日、市の医療機関の医師から、別々の2家族における、5例の赤痢疑い患者発生の報告を受けた。

疫学調査:
5月27日に赤痢感染診断が確定した4人聞き取り調査が行われた。感染疑いの2家族らの訪問で、それぞれの家庭から同じケニアから輸入されたsugar peasのパッケージが発見された。これらのsugar peasは、同じ店で購入されていた。

微生物学的調査:
...multilocus variable-number tandem-repeat analysis (MLVA 多位変数縦列反復解析?)上、際だった特徴を示す_Shigella
sonnei_の分離菌が、感染流行の原因菌として同定された。食品検体については、NMKL no. 174 (食品中の赤痢菌_Shigella_ spp.検出のための PCR検査法)につづいて、immuno-magnetic separation (IMS 免疫磁気分離) および 選択培地への接種が行われた。PCR陽性となった場合は、ヒトのdiarrheagenic(下痢原性)_Escherichia coli_ および _Shigella spp._検出用に開発されたoctaplex PCR変法を用いて、確認検査をおこなった。

結果:
6月16日までに、指定研究機関に登録された、発病前の渡航歴のない_Shigella sonnei_感染流行の患者は20例となった。患者らは、異なる居住地の住民であるが、主にノルウェーの北部および西部の住民であった。初発例は5月10日に発病した(上記URLの表参照)。10代の1人を除き全員が成人で、16人が女性であった。20人の患者全てがsugar peasを食べていた。その他に共通の曝露源は認められなかった。ほとんどの患者が、同じ大型スーパーチェーンの1つから購入していた。他のチェーンで購入した患者もあった。問題のsugar peasは全てケニア産であり、患者宅で回収された未開封のパッケージから、PCR法により_Shigella sonnei_が検出された。しかし、培養による確認はできなかった。

国際間の注意喚起(省略)

議論:
われわれの緊急要請に対し、デンマークから、2009年4月と5月の赤痢の患者数増加が報告された。ノルウェーの感染流行との関連性の調査が開始され、デンマークにおいてもsugar peasが感染流行の原因であることが判明した。2つのスーパーマーケットのチェーンは、通常では同じ卸売りから購入することはないが、購入している場合もある。...これまでの欧州での赤痢感染流行など、原文参照願います
[2] Denmark
Imported fresh sugar peas as suspected source of an outbreak of _Shigella sonnei_ in Denmark, April - May 2009
デンマークの赤痢菌感染流行の原因として疑われる、輸入fresh sugar peas  2009年4月-5月
情報源:Eurosurveillance edition 2009; 14(24) 、2009年6月18日。
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19241
上記流行と関連する内容、原文参照願います
参考資料 the US FDA (食品医薬品局) Center for Food Safety and Applied Nutrition, Bad Bug Book http://www.foodsafety.gov/~mow/chap19.html から
..._Shigella_ が動物に感染(occur)することはまれ;サルやチンパンジーなどの霊長類をのぞけば、基本的にヒトの病気である。ヒトの糞便に汚染された水からしばしばこの菌は検出される。The infective dose 感染に必要な菌量は、宿主の年齢や状態によるが、わずか細胞10個である。The _Shigella_ spp. は、糞口感染経路によって伝播される、非常に感染力の強い病原体である。サラダ(ポテト、ツナ、エビ、マカロニ、チキン)、生野菜、ミルクや乳製品、家禽などの食品に関係する。これらの食品の汚染は、糞口感染経路によっておきる。糞便で汚染された水や、食品の不衛生な取り扱いが、汚染ルートとして最も多い。
[Mod.LL注-_Salmonella_ (typhoid fever 腸チフスを除く), _E. coli_ O157(病原大腸菌O157), および_Campylobacter_によるヒトの食中毒と明らかに異なり、赤痢は、ヒト(の糞便)による食品汚染によるものであって、動物の糞便は関係しない]

原文リンク