感染症速報詳細

記事日付 20090628
タイトル インフルエンザA(H1N1)-世界各国:(77) case count 20090627.2338
国名 世界各国    
感染症名 インフルエンザA
概要 [1] Worldwide update - WHO 07:00 GMT+2
Influenza A (H1N1) - update 54 -- 26 Jun 2009
和文 http://www.who.int/csr/don/2009_06_26/en/index.html
FORTH http://www.forth.go.jp/cgi-bin/promed/search.cgi
[2] Americas update - PAHO 16:00 GMT-4
情報源: PAHO H1N1 flu website 、2009年6月26日。
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=view&id=1541&Itemid=1167
[3] Canada - Ontario: institutional respiratory outbreaks
Respiratory infection outbreaks in institutions during the novel influenza A H1N1 virus pandemic in Ontario
オンタリオ州での新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスパンデミック中の、施設内での呼吸器感染流行について
投稿者: 加・Ontario Agency for Health Protection and Promotion (OAHPP)、Jonathan Gubbay 、2009年6月24日。
Ontario Agency for Health Protection and Promotion (OAHPP オンタリオ州健康保護促進局)のPublic Health Laboratory (PHL 公衆衛生研究所)は、州保健長期療養省Ministry of Health and Long-Term Careからの依頼による、呼吸器感染流行の検査を行っている。2009年4月20日から6月12日にかけ、PHLには112件の呼吸器感染流行が報告されている。流行は、long term care facilities (LTCF 長期療養施設 89%) 、病院(2%), 保育施設 (3%), 学校(1%)、精神科療養施設 (1%)などであった。感染者の平均年齢は82歳で、中央値は85歳;95%が57歳以上であった。..検体が提出された83件の感染流行の295検体について、real time RT-PCR for the influenza virus A (flu A) matrix gene と the Luminex RVP multiplex assay for other respiratory virusesが行われた。分子学的手法で病原体が確認されたもののうち、感染流行の起因病原体が1つであった流行は68件(82%)、2ないし3つの病原体が原因であったものは8件(10%)であった。6件は、分子学的方法ではウイルスが検出されなかった。感染流行において分子学的検査で検出された病原体の内訳は以下のとおり;Enterovirus/rhinovirus 31 (37%), parainfluenza 3 in 22 (27%), metapneumovirus in 17 (20%), human influenza A (H3) in 11 (13%), untypeable influenza A in 2, novel influenza A (H1N1) in 2, and RSV B and parainfluenza in one( of the outbreaks tested by molecular methods)。また、患者で陽性となったのは、enterovirus/rhinovirus (89 patients) 以下、 parainfluenza virus type 3 (50), metapneumovirus (47), and human influenza virus A (H3) (31)であり、 71 patientsではウイルスは検出されなかった。ある長期療養施設LTCFでの感染流行では、Luminex RVP assayによる検査で、untypeable(型判定されていない)インフルエンザAとエンテロウイルス/ライノウイルスに重感染した患者が2人確認された。これらの患者はいずれも、RT-PCR法ではインフルエンザAは陰性だった。このほかにも、別の1人の患者がRSV B と enterovirus/rhinovirusに、別の感染流行の患者1人がparainfluenza virusのtypes 1と3に、それぞれ重感染していた。注目される点として、novel influenza A (H1N1)が病原体であることが確認された感染流行2件のうち、LTCFで発生したのは1件のみで、市中で広く蔓延していたにもかかわらず、パンデミック発生の6週間後の6月3日のことであった。2件目の新型インフルエンザA(H1N1)感染流行は、6月11日に報告されたが、これはインフルエンザ様症状influenza-like illness (ILI)患者の治療を行った病院内で発生した。LTCFでの感染流行の原因として、これほど新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスが少ないことは、同じ期間内にPHL(研究所)において、インフルエンザAに対するリアルタイムrt-PCR検査が行われた11612検体中、2966検体(25.5%)がインフルエンザAであり、2203検体(19%)が新型インフルエンザA(H1N1)であったことを考えれば、特筆すべきことである。また、H3もしくはH1季節性インフルエンザAは、型判定できたインフルエンザAの中で273検体(9.3%)のみであったが、この期間に発生したインフルエンザA感染流行の中の11件(85%)の原因ウイルスをなっていた。新型インフルエンザA(H1N1)感染と診断された患者は、感染流行調査として検査された中で、相当若かった。年齢の平均および中央値は、21.5および16歳で、46歳以上はわずか10%であった。今回の、LTCF内の高齢者での流行が大部分を占める、感染流行のレビューでは、高齢者が、現在のパンデミックの原因となっているH1N1ウイルスと、明らかに関係が薄い(sparing)ことがはっきりした。このことについては、1957年にインフルエンザAがH2N2に抗原シフトshiftする前に感染循環していた、H1N1ウイルス株にかつて曝露したための交叉感染や、カナダへパンデミックウイルスを持ち込む可能性が最も高い若年旅行者との接触が最も少ないことの、いずれかもしくは両方が、1つの説明となるかもしれない。さらに、現在オンタリオ州の患者の大多数を占めている、10-19歳の年齢層の集団との接触も少ない可能性が高い。現在は、オンタリオ州のLTCFにおいて、パンデミックウイルスは比較的少ないものの、今後その状況は変化する可能性もある。
[4] News briefs: Sat 27 Jun 2009
南北アメリカ:
USA - 患者は推定100万人以上
http://www.nytimes.com/2009/06/27/health/27flu.html
欧州:
Lithuania - 1st case confirmed, インドへの渡航歴
http://www.reuters.com/article/internal_ReutersNewsRoom_ExclusivesAndWins_MOLT/idUSTRE55P3T620090626
中東:
Iraq - 1st case confirmed, USAへの渡航歴
http://www.reuters.com/article/americasCrisis/idUSLO694400>
Iraq - 3 more cases confirmed, history of travel to USA
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5hY4lZKNX8Q8X_mq99ejMtocqhfTw
アジア:
Thailand - H1N1による初めての死者2名を確認、いずれも基礎疾患あり
http://www.etaiwannews.com/etn/news_content.php?id=988232=eng_news&cate_img=316.jpg&cate_rss=news_Health
Myanmar - 1st case confirmed, シンガポールへの渡航歴
http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/world/view/20090627-212760/Myanmar-confirms-first-case-of-swine-flu
オアセアニア:
Australia - H1N1による5人目の死者, 基礎疾患あり
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aG2ows9wRV5I
New Caledonia (French Pacific Ocean Territory) - confirms 1st 2 cases H1N1, オーストラリアへの渡航歴
http://australianetworknews.com/stories/200906/2610319.htm?desktop

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