記事日付 | 20090723 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)-世界各国:抗ウイルス薬 20090722.2597 2009(12) |
国名 | 世界各国 |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | [1] Peramivir |
和文 | http://www.reuters.com/article/marketsnews/idinbng42058920090717?rpc=3D44 BioCryst Pharmaceuticals (BCRX.O)社は、実験段階にある同社の注射用インフルエンザ薬peramivirの大規模試験により、他のインフルエンザ薬Tamiflu [oseltamivir]と比較して、効果は劣っていないことが示されたことを明らかにした。この試験は、BioCryst社のパートナーである日本のShionogi & Co Ltd (4507.T)が資金を提供し、300mgおよび600mgのperamivirの1回注射と、Tamiflu75mgの経口投与との間の、有効性と安全性の比較試験を行った。peramivir 300mgおよび600mgの単回注射群は、タミフルと劣らない結果を示した。146か所の施設で、合計1099人の患者が試験に参加した。BioCryst社は現在、米国内でのregulators(当局)の許可取得のためのperamivirの後期臨床試験計画が最終段階にあり、また引き続き、同薬剤のthe pre-emergency use authorization review(準緊急使用許可調査)への対応を行っていくこととしている。2009年5月同社は、重症のインフルエンザのアウトブレイクにより相当数の入院患者が発生した場合、政府当局は、静脈注射peramivirに emergency use authorization 緊急使用許可を与えるオプションを考えていると述べていた。 [Mod.CP注-投稿者は、peramivirが静脈注射剤のneuraminidase inhibitorであることを付け加えている。この製薬メーカーからの報告には、研究デザインに関する重要な情報が欠けており、特に"non-inferiority(劣っていない)" の基準が明確にされていない。この研究対象の中に、oseltamivir-resistant strain(耐性ウイルス)の感染者がどれだけ含まれていたかにも興味が持たれる。ProMED-mailでは通常、臨床試験結果を報告することはないが、インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルスのoseltamivir耐性が出現し、いずれTamifluの有効性が無くなり、Relenzaだけが唯一の代わりのノイラミニダーゼ阻害薬となる可能性がある。peramivir のoseltamivir-resistant virus に対する効果は、この中では明らかにされていないが、抗ウイルス薬としての潜在的有用性に大いに関係する事項である] [2] オセルタミビル耐性 Oseltamivir resistance 情報源: Guelphmercury.com, The Canadian Press report、2009年7月22日。 http://news.guelphmercury.com/Wire/Life_Wire/article/512166 カナダで、タミフル耐性豚インフルエンザウイルスが確認された。予防投薬中のケベックQuebec州の男性1名であった。一方、日本では2例目のタミフル耐性ウイルス患者が発見されたことが明らかにされ、この患者は先の患者との関連性は認められなかった。これらの患者は、2009年4月に新型H1N1ウイルスが発見されて以来、世界で4例目と5例目の患者となった。このケベック州の60才の男性は、息子がパンデミックウイルスに感染したため、抗インフルエンザウイルス薬を投与されていた。耐性化は、この男性の体内で発生したものと見られ、他人に耐性ウイルスを伝播した証拠は得られていない。今後も監視を続けると、公衆衛生省の報道官が述べた。感染予防にタミフルを使用することは、prophylaxis と呼ばれ、耐性ウイルスの発生を促すことになると考えられてきた。トロントToronto's Mount Sinai Hospitalの専門家は、現在のように世界中でタミフルが使用されれば、このような症例は増えると見ている。"インフルエンザにとって問題でしょう。このような症例が少ないままで、時々たまに症例に出くわす程度で、みんなが気を付けることになるのか、それとももっと大きく広がっていくのかも知れない"と述べ、恐らくその中間と言うことはないだろうと語った。もう1例は日本の山口市で発生した[cropped up]。日本の感染研は、GenBankにこのウイルスの遺伝子塩基配列のデータを登録した。所長のDr. Masato Tashiroは、WHOに対してemailを通じて詳細を伝えた。この1名の患者は、パンデミックウイルスに曝露後の発症予防薬として、抗ウイルス薬を投与されていた。患者はその後回復し、感染の広がりは無かったと、emailに述べられている。このウイルスは、タミフルと同じ系統のもう1つの薬剤であるRelenzaに感受性が認められた。日本で先に見つかった患者は、大阪市の患者であった。このほか、デンマーク、香港でも患者が報告されているが、5人の患者のうち4人が、薬剤服用中であった。しかし、香港への旅行中に発病した、サンフランシスコSan Franciscoの少女でも発見されている。空港の衛生関係者らはこの少女を引き留め、豚インフルエンザの検査を行った。少女の検査は陽性となったが、医師によるとこの少女はタミフルを服用したことがなかった。このことは、この少女に感染したウイルスはすでに耐性を獲得していたことを示唆する。米国の当局者は、the San Francisco areaにおける耐性ウイルスの監視を強化したが、他の症例は確認できていない。公衆衛生局は、このケベック州の男性は後遺症なく豚インフルエンザ感染から回復し、入院を必要とすることはなかったと説明した。報道官は、当局は、タミフルは治療のみに使用するよう勧めており、薬剤の慎重投与(選択的使用)が耐性発現を食い止めることにつながるだろうと述べた。 |
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