記事日付 | 20090801 |
タイトル | Powassan virus、脳炎-米国:(ミネソタMN) 20090731.2684 |
国名 | 米国   |
感染症名 | Powassanvirus |
概要 | ミネソタ州では、Powassanウイルス脳炎とロッキー山紅斑熱が発生している |
和文 | http://www.startribune.com/local/52007327.html?elr=3DKArks8c7PaP3E77K_3c::D3aD= ミネソタMinnesota州に、2種類の重症のダニ媒介性疾患が発生している。1つは、7月にDakota郡の小児1人が死亡したロッキー山紅斑熱[Rocky Mountain spotted fever]で、[もう1つは] Powassan encephalitisである。いずれもまれな疾患ではあるが、感染した場合のリスクは大きい。脳炎の1つは、Powassa (POW) diseaseとも呼ばれ、Cass Countyでは2008年に小児1名が、2009年にも成人1名が感染した。いずれの患者も、重症の神経学的症状のため入院となり、現在も治療が続けられている。このタイプの脳炎ウイルスは、1958年にオンタリオOntario州Powassanで初めて見つかり、米国とカナダで、これまで約50例の報告がある。ミネソタMinnesota州の患者らは、北米の最も西部で発生した患者となった。感染性のダニの刺咬後2週間以内に発病する。多くの患者は刺咬したダニを見ていない(気づいていない)。POW脳炎または髄膜炎患者は、発熱、頭痛、嘔吐、体力低下、昏睡、協調性欠如、構語障害、記憶喪失などの症状が見られる。長期的な後遺症も多く、約10%の患者は死に至る。州内のリスクは低いと考えられるが、ダニ刺咬対策は重要であり、ダニの生息地で時間を過ごした後に発病した場合は、直ちに医療機関を受診するひつようがあると、ミネソタ州の疫学担当者が説明した。DEET(少なくとも30%)やpermethrinを含むダニ忌避剤の使用が勧められている。 [Mod.CP注-Powassan virus はflavivirusの1種で、 the tick-borne encephalitis (TBE ダニ媒介性脳炎) antigenic complex 抗原複合体の一員となっている。 Powassan virus は激しい脳炎と、高率な神経学的後遺症を残し、致死率は最大60%におよぶ。米国とカナダで報告されるアルボウイルス脳炎 arbovirus encephalitisの中で、 LaCrosse, St Louis、東部および西部ウマ脳炎に次ぐ、最も少ない原因疾患の1つである。しかしながら、Powassan virusとeastern equine encephalitis は、死亡率が高率で、また高率に神経学的後遺症を残すという点で、他との相違点を有する。ヒトは、節足動物のベクターと自然界の宿主脊椎動物が共存するエリアに入った時に、偶発的な感染がおきる。宿主となる脊椎動物は、woodchuck や snowshoe hare(ウサギ)であることが多い。しかし、ヒトとの接触のあるコヨーテ、キツネ、アライグマ、スカンクなどでも、血清学的な感染の証拠が認められる。血清学的調査によると、北部オンタリオOntario州のある集団では、人口の最大3%が陽性だったことから、脳炎を示さない感染がヒトの中で起きている可能性がある。小児に多いPowassan encephalitisの患者は、5月から12月までの期間に、アウトドアでの曝露のあと、約1週間と見られている潜伏期間後に発病する。重症疾患で、後遺症を残すことも多い。ダニの付着から15分以内にPowassanウイルスは伝播する] 詳しい説明 comprehensive description of Powassan virus and its biology http://pathport.vbi.vt.edu/pathinfo/pathogens/PV.html |
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