感染症速報詳細

記事日付 20090806
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)-世界:最新状況
国名 世界    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 WHO、20億人のH1N1感染の可能性
WHO holds 2 billion people could catch H1N1
和文 http://www.arabtimesonline.com/client/pagesdetails.asp?nid=35535&ccid=11
保健当局は、タミフルによる治療に耐性の豚インフルエンザウイルスに関する注意を呼びかけている。ベトナムで初めての死者が出るなど、4日、さらにウイルス感染による死者が増えていることを受けたものである。3日には、インドと南アフリカでも初めてのA(H1N1)ウイルスによる死者が報告された。カリフォルニアCalifornia州ラホーラLa Jollaの、汎米保健機関事務局長は、タミフル耐性のA(H1N1)[インフルエンザパンデミック(H1N1)2009]ウイルスが、米国メキシコ国境のエルパソEl Paso とテキサスTexas州マッカレンMcAllen近郊で発見されたことを明らかにした。専門家らの会議で、タミフルなどの抗ウイルス薬の過剰使用により、耐性ウイルスが生まれやすいと警戒する。米国では、タミフルは処方箋が必要だが、メキシコやカナダでは自由に販売され、くしゃみをしただけで服用されていると説明した。本当に必要となったときに、薬が効かなくなっていると述べた。抗ウイルス薬耐性のA(H1N1)患者は、米国、カナダ、デンマーク、香港、日本で見つかっている。北半球の秋が近づき、季節性インフルエンザシーズンの開始に備え、WHOは製薬会社と協力して、H1N1と季節性インフルエンザの双方に対処できるよう、ワクチンの確保を目指している。WHO報道官は、今週後半に、WHOのワクチン計画の更新を見込んでいると述べた。主なインフルエンザワクチン製造メーカーは、Sanofi-Aventis, Novartis , Baxter, GlaxoSmithKline and Solvayの各社である。 Novartisは H1N1 swine flu vaccine candidates(ワクチン候補株)のヒトでの臨床試験を開始しており、一方、世界のインフルエンザワクチンの最大手Sanofi-Aventisも数日以内の試験開始を発表した。来月(2009年9月)に集団予防接種の準備段階にある大手製薬会社にとって、計画の拡大実施のため、臨床試験開始が重要部分を占める。インフルエンザワクチン製造のビッグ3のうちの、残りの1社 GlaxoSmithKline社は、8月後半に臨床試験を開始する予定を表明している。医療従事者は、インフルエンザ感染拡大防止を、ワクチンに頼っている。直ちに大量の出荷可能なこれらの会社にとって、思わぬ販売躍進 sales windfall をもたらせる可能性がある。豪のCSL社もまた、最も早い販売取り扱い可能業者の1つで、2週間前に豪において初めての臨床治験を開始している。今ようやく他社が追いつきつつある。1週間ちょっと前に開始したところであると、Novartis社の広報が述べた。仏のSanofi Pasteur社は、数日もしくは来週中には開始すると述べた。スイスのNobartis社は、米国・英国・ドイツを含む複数の国で臨床試験を行っており、1回接種と追加接種、反復接種なども試験されている。他社同様Novartis社も、免疫システム反応を増強するアジュバント添加ワクチンと、無添加ワクチンの比較を行うことにしている。AstraZeneca社のMedImmune unitは、より少量の、注射ではなく鼻内スプレーによるインフルエンザワクチンを製造し、8月17日ごろまでに米国内で臨床試験を開始する。台湾のバイオテクノロジー会社は、臨床試験完了前にもかかわらず、冬期インフルエンザシーズン開始前のスタートを目指し、8月4日に豚インフルエンザワクチンの大量生産を開始した。台湾唯一のヒトのワクチンメーカーであるAdimmune Corp社は生産を開始し、2009年10月末までに、500万人分のA(H1N1)インフルエンザワクチンの出荷を目指している。同社は、複数の動物試験を完了したが、ヒトでの臨床試験は9月にようやく始まる予定と述べたため、as-yet unproven product(安全性が確認されていない製品)に関するリスクに批判の声が上がっている。しかし、ヒトにおける臨床試験を監督する立場にある、国立台湾大学病院のある医師は、同社は、リスクを計算した上で行っていると説明した。会社にとってリスクはあるが、実績のある会社にとってのリスクは小さいと述べた。

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