感染症速報詳細

記事日付 20090805
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)-中国、台湾:H3N2との共感染循環 20090802.2713
国名 中国    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 [1] 台湾 H3N2
H3N2による、新たなインフルエンザの脅威
H3N2 brings new influenza threat
和文 http://english.rti.org.tw/Content/GetSingleNews.aspx?ContentID=83697
台湾政府当局は31日、新たなインフルエンザウイルス感染患者について発表した。1人はH1N1豚インフルエンザ[インフルエンザパンデミック(H1N1)2009]の感染による患者で、もう1人はH3N2亜型インフルエンザAウイルスの患者であった。7月31日に発生した、台湾のH1N1感染患者は6人、H3N2感染患者は2人である。H1N1の6人のうち、1人が死亡した。さらに、7月だけでも、10人のH1N1集団発生があった。H1N1と確定診断されたケースは58人いる。最も感染者が多いのは、30歳代の男性でこれらの年齢層へのワクチンを考慮すべきと、CDC当局者は述べている..以下、学校での対応は自主判断にまかせることなど
[2] 中国 (香港 S.A.R.) H3N2
H3N2による新たな脅威
H3N2 brings new influenza threat
情報源: China view, Xinhua News Agency、2009年7月31日。
http://news.xinhuanet.com/english/2009-07/30/content_11803913.htm
香港衛生当局は27日、H3N2型季節性インフルエンザウイルスの新株 variant が市中で確認されたと発表した。昨年のH3N2の流行株はThe Brisbane strain で、the new variantはこの直接の子孫であると、保健当局者が説明した。以前のBrisbane strainといくつかの遺伝学的な相違点をもつものの、カナダ、英国、オーストラリアなどの海外の保健当局も、この変異株を確認していると付け加えた。北半球に供与されたワクチンは、この新たな変異株にdirect match(ぴったり合う)していないが、ある程度の防御作用をもつものと見られている。1ヶ月以内に香港の広い地域でワクチンが使用可能となるとした上で、慢性疾患患者、高齢者、小児などのハイリスクグループへの接種を勧めている。H3N2型は、香港で感染循環するインフルエンザウイルスの43%を占め、一方のH1N1は49%の割合である。
[3] 無症候性患者 Asymptomatic cases
ProMED記事に対するコメント
A comment on ProMED post:20090730.2668
投稿者: Dr. Steve Berger、2009年7月31日。
H1N1の感染者の多くが無症候性であるとすれば、報告方法や感染対策を大幅に改訂する必要がある。空港・救急室などでのスクリーニングは、発熱患者であることを前提に始められている。症状の認められない感染は、報告されることも、行動を制限されることもないまま、他者への感染を広げる。評価されている致死率の値も下げなければならない。

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