記事日付 | 20090808 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)-世界各国:検査の精度は低い Poor test accuracy 20090807.2801 |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | インフルエンザ検査、多くの患者見逃される、CDCが確認 Flu tests miss many cases, U.S. CDC confirms |
和文 | http://www.reuters.com/article/healthNews/idUSTRE5755N920090806 現在のインフルエンザの迅速検査では、新型パンデミック(H1N1)ウイルス感染の患者の多くが見逃されることが、6日の米CDCの研究者の報告で明らかになった。豚インフルエンザ検出に対する検査の精度は、わずかに40-69%しかないと報告されている。今回の報告は、CDCが、診察室で行う簡易検査は、H1N1感染の診断にそれほど役に立たないとする注意喚起を裏付ける結果となった。汎用されている3種類の検査は、H3N2の80%以上を検出するため、季節性インフルエンザの確認により適していると、CDCが指摘していた。しかし、一般的には、症状と市中を循環するウイルスの情報に基づいて患者を診察・治療するよう、当局は求めている。新型インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルスの発生と世界的流行により、一般的に広く使用できるインフルエンザ迅速診断検査の必要性がいっそう求められていると、CDCの週報の著者が述べている。CDCインフルエンザ部門の研究者らは、広く使用されている、BinaxNow, made by Inverness Medical Innovations, Becton Dickinson's Directigen EZ Flu A+B test and Quidel's QuickVue の3種類のインフルエンザ迅速診断検査について検討を行った。2009年4-5月の間に採取され、すでに豚インフルエンザもしくはいずれかの季節性インフルエンザの感染が確認されている、65件の気道検体を用いた。これらの検体はすべて、時間はかかるが正確な、ウイルスの遺伝学的物質を検出するための検査である、real-time reverse transcription-polymerase chain reaction, or rRT-PCRと呼ばれる検査法で検査されていた。研究の結果、高濃度のウイルスを含んだ気道検体では、迅速検査は、パンデミック(H1N1)2009ウイルスを検知することができたものの、全般的に低い感度であったと、同チームは報告している。The QuickVue test が検知したのは、the H1N1 casesの69%で、the Directigen testは49%、 BinaxNow では40%が検出されたに過ぎなかった。いずれの検査もウイルスの鑑別は不可能で、患者および医師に、インフルエンザウイルスが存在することを知らせるのみである。先週出されたWHOの最新の情報では、パンデミック(H1N1)2009ウイルスと確定診断された患者数は162230人で、1154人が死亡したとされているが、CDCは、米国内だけでも100万人以上が感染しているだろうと述べている。各国の公衆衛生当局は、正確な患者数の把握をあきらめているが、患者が医師を受診しても、簡易検査は豚インフルエンザの診断にはあまり役に立たないとの今回の研究結果は、その根拠の1つとなっている。各社が、より正確で迅速な、point-of-care(臨床現場で使える?)診断検査の開発を狙っている。GlaxoSmithKline と Enigma Diagnostics の両社は、特異的インフルエンザウイルス株を検出するための、point-of-care PCR testsの開発で協力することに合意した。韓国とメリーランドMaryland, 州に本社のある Seegene社は、複数の型のインフルエンザと抗ウイルス薬耐性を検出することが可能な、病院用のmultiplex PCR testを開発したと発表した。ユタ Utah州の DxNA社は、the U.S. Food and Drug Administration (食品医薬品局)に対して、同社製のquick GeneSTAT PCR testの認可を申請中である。カリフォルニアCalifornia州にある Osmetech社は、H1N1インフルエンザを含めた18種類の一般的な細菌とウイルスを鑑別診断可能な検査に対する、FDA emergency approval(緊急承認)を求めている。 |
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