記事日付 | 20090811 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)-世界各国:小児の治療 20090811.2859 |
国名 | 世界各国 |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | 小児では、リスクが利益を上回るため、豚インフルエンザ治療にタミフル[oseltamivir]を使用すべきではない |
和文 | http://www.telegraph.co.uk/health/swine-flu/6004313/Children-should-not-be-given-Tamiflu-Oxford-researchers.html [NB: この報告が、季節性インフルエンザウイルスに曝露した小児の oseltamivir [Tamiflu] の使用について検討であるにもかかわらず、the influenza pandemic (H1N1) のスレッドに加えたのは、 パンデミックインフルエンザに曝露したり、その可能性のある小児の治療に対する、現在のノイラミニダーゼ阻害薬使用にも関係するためである - Mod.CP] 小児では、リスクが利益を上回るため、豚インフルエンザ[インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルス感染]に対して、タミフル[oseltamivir]を使用すべきではなく、政府当局は取り扱いについて再検討すべきだと、研究者が述べた。抗ウイルス薬のタミフルとリレンザ[zanamivir]は、小児の病悩期間を約1日間短縮するが、副作用として嘔吐が多く見られる可能性があると、Oxfordの研究者らが指摘した。小児にとって嘔吐は成人より危険性が高く、脱水に陥りやすいため入院につながると述べられている。また、この薬剤を使用することによる、喘息発作、耳感染症、もしくは小児に抗生物質治療が必要となる頻度に差がないため、結果的に、それまで健康であった小児では、有害性が利益性を上回ることになると、著者らは述べた。この意見は、タミフルが成人においてインフルエンザの期間を短縮できるのは、わずか半日との研究結果が、先週示されたあとに出された。この結果から、政府当局が人口の80%をカバーするのに十分な量の抗ウイルス薬を備蓄することは、無駄遣いではないかとの疑問も浮上する。備蓄にかかる正確な費用は、"commercial reasons 取引上の理由"で明かされていないが、1000万ポンドに達すると見られている。世界中の国が、パンデミックインフルエンザ流行用に、およそ5000万人分のRoche社製Tamfluを備蓄した。Tamifluは、小児では、不眠や悪夢の副作用と関連性があることが知られている。Oxford Universityの研究者らは、7件の研究結果のレビューから、保健局は政策の見直しが必要との意見を述べている。the British Medical Journal誌オンライン版で公開される今回の結果では、季節性インフルエンザの治療、もしくは家族内インフルエンザ感染の予防投与のため、RelenzaまたはTamifluを処方された、1才から12才までについてのtrials 臨床研究についてレビューされている。研究者らは、季節性インフルエンザについて行われた研究ではあるが、現行の豚インフルエンザ感染流行にも関係すると述べている。この薬剤は、cystic fibrosis 嚢胞性繊維症や、白血病治療中などで免疫低下がある場合など、基礎疾患のある小児にはメリットがある可能性が残されているが、それを裏付ける十分な証拠はないとしている。政府が、症状のある患者全てにタミフルを投与する現在の政策は、"inappropriate 不適切"だと主張している。臨床医は、インフルエンザの重症例には、臨床的に判断して抗ウイルス薬を使用している。しかし、the National Pandemic Flu Service は、インフルエンザ様症状のある診断基準を満たす患者であれば誰でも、この薬剤を処方している。健康保護局のデータによれば、症状のある患者の4人のうち、実際の豚インフルエンザ感染者は1人しかいないことが示唆されている。当局は最初の1週間に、患者数が7日間で約11万人とピークとなり、15万人分のタミフルを配布した。著者の1人は、合併症の可能性が高い小児に、これらの抗ウイルス薬を取っておくことが賢明なやり方であり、現在の市民の抗ウイルス薬需要の圧力を和らげることになるだろうと説明した。あまりに多くの人に処方することで、ウイルスの耐性が進むことへの懸念を表した。また、一般の人々が、タミフルを魔法のくすりと考えて頼りすぎてしまい、豚インフルエンザによる重症の合併症も、この薬剤で起きなくなると勘違いしてしまうことも心配する。...インフルエンザに曝露したが何も症状のない小児に、予防的に抗ウイルス薬を使用するケースでも、その使用は限られることが示されている。1人の患者の感染を予防するためには、13人の治療(予防的投与)が必要であり、これは感染伝播としては8%しか減っていないことを意味する... BMJのもとの記事:Neuraminidase inhibitors for treatment and prophylaxis of influenza in children: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials BMJ 2009;339:b3172, doi: 10.1136/bmj.b3172 (Published 10 Aug 2009) http://www.bmj.com/cgi/search?fulltext=Tamiflu&sortspec=date&x=5&y=13 |
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