感染症速報詳細

記事日付 20090812
タイトル ペスト、肺ペスト-中国:(06) 青海省QH、WHO 20090811.2870
国名 中国    
感染症名 ペスト
概要 マーモットから感染した発端患者から、11人が肺ペストに感染し、合計3人が死亡した
和文 http://www.who.int/csr/don/2006_08_11/en/index.html
2009年8月1日、中国政府衛生省は、青海省の農村部Ziketanにおける、肺ペストの集団発生を報告した。発端となった患者は、32歳の男性の牧民で、2009年7月26日に発熱と吐血で発症した。病院に搬送される途上で死亡し、翌日埋葬された。30日、患者と濃厚接触のあった11人(主に葬儀に参加した親類)に発熱と咳が見られ、全員が入院となった。8月1日、初発患者を含め、12人全員から採取された検体のペスト検査が陽性であることが判明した。2日、初発患者の64歳の義父と、埋葬を手伝った近所の37歳男性が死亡した。残る9人のうち、1人は危険な状態で、1人は発熱と咳の急性症状が見られているが、7人の状態は安定している。8月6日現在、現地保健当局は322人の接触者の監視を行い、発生地域周辺の交通規制を実施している。感染予防対策と診療の専門家らが、青海省に派遣された。防護衣、X戦装置、その他の医療器具も持ち込まれた。感染予防のパンフレットが配布されている。疫学調査から、感染流行の原因は野生のマーモットと見られ、発端の患者のイヌとの接触があった。Ziketanは、野生動物の間でペスト菌が常在する地域で、現在はペスト感染の活動期にあたる。これまで、この細菌に対する薬剤耐性が見つかったことはなく、3人の死亡は、治療の遅れによるところが大きい。中国政府は、全国的なペスト感染のサーベイランスネットワークを設置しており、ハイリスク地域への必要物資供給の準備を行っている。今回の発生流行を受け、臨時の資金・物資・専門家などの支援がすばやく行われた。

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