記事日付 | 20090813 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)-世界各国:assumptions 推測 20090813.2879 |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | |
和文 | http://www.news1130.com/news/national/more.jsp?content=n115289529 the 1918 Spanish flu pandemic 当時のウイルスの遺伝子配列の解析を行った研究者は、まだ証明されたわけではない、1918年のパンデミックの経過に関する推測 assumptions が、豚インフルエンザウイルスが、世界中にまき散らされる準備をして待ちかまえているとの誤った考えを生んでいると、新たな出版物の中で示唆している。ウイルス学者のDr Jeffery Taubenbergerと、共著者の医学史研究家 Dr David Morensは、 the 1918 virus が、秋に毒性を強めた形で勢いを増したという確かな証拠はないと主張している。それは、1918年春に米国内で発生したアウトブレイクのウイルスと、(秋に発生した)ウイルスが同じであることの、正確な証明がないためである。今週号のthe Journal of the American Medical Association に掲載された意見では、現在のパンデミックウイルスの毒性や感染力は、必ずしも変化するとは限らないとされている。かつてのパンデミックほど、今回のパンデミックはあまり流行せず、死者も多くない、と期待してよい理由があると、述べられている。仕事場であるthe US National Institute of Allergy and Infectious Diseases(米国立アレルギー・感染症研究所)でのインタビューでは、どのパンデミックも全く違ったものであり、異なった様式で発生し、遺伝子も違った形に変化しているため、どのようなウイルスであるかによって、各年齢層の免疫状況も違ったものになるだろうと述べた。従って、新型パンデミックウイルスが、1918年のパンデミックウイルスと同じような動きをすると仮定することは、非常に難しく、disservice (問題がある)と指摘した。研究者の間でも、1918-19年に50000万人が死亡したとされる、悪名高いスペインかぜの流行中に何が起きたかについては、意見が分かれている。多くの見方は、米国で基本的に軽症であった春の流行後、北欧のほとんど全域を、初めての、いわゆるherald wave(前触れ)が席巻したというものである。夏を越えるうちにウイルスが変異してより重症の疾患に変化したという考え方が、一般的に受け入れられている。当初は軽症疾患であったパンデミックウイルスがより厄介な形に変化するという考え方は、公衆衛生関係者の論理の中で特に際だっており、なぜ世界中が新型H1N1ウイルスに積極的に対応しなければならないかを説明するのに使われている。しかし著者らは、春に発生した流行については、ウイルスの検体が存在せず、(秋に再流行したスペインかぜと)同じウイルスによるものであるのかや、より毒性が強まったウイルスに変化したのかを確かめる方法がない点をくり返し指摘している。いくつもある仮説の1つであり、どれが正しいのかを知る方法もないと述べている。著者らは、遺伝子塩基配列を解析することが可能な1918ウイルスの断片の十分な量を入手した。次にこれをCDCで再構築したが、特に安全性の高い研究機関で現在行われている研究の、解析の対象として残されている。この根気の要る作業に用いられるウイルスRNAの断片は、1918年秋に死亡した患者の組織から採取されたものであって、これまで、1918年春の流行の原因となったウイルス検体は、確認されたことがない。著者らの意見を支持するいくつかの話題も出てきた。CDCの元インフルエンザ対策責任者は、最後にパンデミックのあった1968年以降、世界は大きな変化を遂げており、またインフルエンザの動きについて、あまりに多くのことが未知であるため、過去のパンデミックに基づいた予測は不可能であるとの意見を述べている...同氏のかつての同僚の賛成意見...しかし、George Washington University の Dr Lone Simonsen は、1918年の記録を調べ上げたうえで、the 1918 virus が the herald wave の原因であった十分な証拠があると主張している。ニューヨークやデンマークなど、1918年春に感染流行を報告した発生地域の医療データを調査した同氏は、"ウイルスなしに何が言えるのか"という議論はいつもあるが、重症化する年齢層の変化など、流行パターンがインフルエンザパンデミックの特徴を表していれば、自身の答えは yes だと答えた。それは、1918年春と2009年春のいずれでも観察されているとし、間違いなくより軽症な第1波があり、疑う余地はないと述べた。同氏は、herald wave があるからと言って、秋の重症度変化が、必ずしもウイルスの変異の結果起きるとは限らないことを認めている。インフルエンザ患者の危険性がより高くなる、細菌感染の合併が蔓延するなど、別の要因で説明される可能性も否定できないとしている...以下の点で、双方の立場は一致している:重症化に備えてあらゆる努力を惜しまず、ワクチンを作成し、なるべく早く普及させること、である。 出典 the Journal of the American Medical Association (JAMA): "Understanding influenza backward" : JAMA 2009; 302(6): 679-80. http://jama.ama-assn.org/cgi/content/extract/302/6/679 |
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