感染症速報詳細

記事日付 20090814
タイトル Q熱-オランダ: 20090814.2889
国名 オランダ    
感染症名 Q熱
概要 3年間続いているオランダのQ熱流行は、2009年、警戒レベルにある
和文 http://www.eurosurveillance.org/images/dynamic/EE/V14N19/art19210.pdf
[2009年、オランダ南部で、Q fever の感染流行が発生中である。今年これまでに、主に公衆衛生面からの報告がなされていたが、ヒトへの正確な感染源についてはよくわかっていなかった。今回、公衆衛生と動物衛生の両面の専門家が共同で執筆し、いずれについてもカバーされている-Mod.AS]
.... 現況
2009年4月以降、再びQ熱が急増し、1月1日から5月11日までの間に、345例(可能性例13例を含む)が報告された。11例は2008年に発症しており、1例は2007年の発病であったため、2009年に発症した症例は合計333例という結果となった。男女比は約1.7:1で、年齢の中間値は49才(38-61才)であった。過去2年間は、4-5月の期間に流行曲線が急増しており、少なくとも2008年と同じ規模の流行強度であることが示唆されている。ほとんどの患者が、2007,2008年にノールトブラバントNoord-Brabant 州内で報告された患者と同じ地域の住民であったが、感染区域に拡大傾向が見られている。
地図1 2007-2008 http://www.eurosurveillance.org/images/dynamic/EE/V13N31/Qfever_Netherlands_Figure3.jpg
地図2 2009 (May) http://www.eurosurveillance.org/images/dynamic/EE/V14N19/Q_Fever_Fig2.jpg
複数の感染源による、関連性のない集団発生
Noord Brabant州を中心に、少なくとも10件の独立して発生した、複数の感染源をもつ感染流行から構成されていることが、次第に明らかになってきた。一部の集団発生では、流産の増加という形をとった、家畜のQ熱感染症例が発生した小型反芻動物の飼育施設との関連性が、疫学的に明確に立証されている。他の集団発生では、そのような関連性は明らかではなかった。その1例として、人口87000人の中都市で、2008年の流行に類似した、2009年の第2波の流行が発生している。2008年は、Q熱による流産が発生した乳用のヤギ牧場との関連性が示唆されたが、2009年にはこの地域から獣医学的な報告は行われていない。同市内では、2008年と同じ地域から73人の感染が報告されているが、その原因となるいくつかの可能性についてはまだ確かめられていない。2009年3月、動物衛生局は、1000頭以上のヤギを保有するリンブルフ Limburg 州の農場で、Q熱が確認されたことを報告した。この農場では、若年精神障害者施設の入所者のケアのための農場の役割も担っていた。当局は直ちに合計96名の関係者らのスクリーニング検査を実施し、28人が症状のある症例として報告されている。
以下、獣医学的状況、 Noord Brabantの小型反芻動物に対するワクチン接種キャンペーン、結語(3年連続して発生しているオランダでのQ熱感染流行だが、2009年は警戒レベルにあり、4月に開始したワクチンキャンペーンが有効なら2010年の出産シーズンに間に合うことが期待されていることなど)、原文参照願います

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