記事日付 | 20090821 |
タイトル | 原因不明の脳の疾患-ウガンダ:(キトグムTG) nodding disease |
国名 | ウガンダ   |
感染症名 | 原因不明の脳の疾患 |
概要 | ウガンダ:nodding disease or 'river epilepsy' |
和文 | http://allafrica.com/stories/printable/200908101360.html 医療関係者らによると、数百人のウガンダ人の小児で、原因不明の脳の病気が発生している。この "nodding disease(首が垂れる疾患)" によって痙攣がおき、身体および精神的な成長が阻害され、失明や死に至ることもある。"Nodding disease" は、医学界にとっては未知の疾患であるが、スーダン南部では、以前から多くの患者がいることが知られていた。2003年には、およそ300人の患者が報告されている。北部のキトグム Kitgum district が、新たな発生の多い地域となっている。Okidi だけで200人の子供が発病したと、NGO関係者が述べた。少女3人が死亡した。1人は痙攣のため井戸の中で溺死し、2人は何週間も食べられなくなって死亡したと説明した。同地域では、2008年に数百人の小児の"nodding disease" が確認されていると当局者は説明した。初期症状は痙攣であると述べた。onchocerciasis オンコセルカ症 (river blindness 河川盲目症) の原因である寄生虫による、神経症状の可能性が考えられている。最近出された研究結果は、この関係を支持するものであった。WHOが資金を援助するスーダンの感染流行調査に参加した、Makerere University のProf James Tumwine は、この病気は、オンコセルカ症に関連した痙攣の1種と報告した。しかし、ウガンダでこのように多数の患者が報告されているのは信じられないとも述べている。感染した小児では、ただちに痙攣とオンコセルカ症に対する治療を開始すべきとしている。保健省は、この疾患がウガンダ北部で発生していることは確認しているが、今のところその原因は不明である。Kitgumのたくさんの村々に感染が拡大しており、WHOの協力を得て原因を調査中であると説明した。フィラリアである _Onchocerca volvulus_ に感染したblack flies が伝播する河川盲目症は、アフリカの30カ国で地方感染しており、毎年、Merck & Co Inc 社が無償で提供する薬剤 ivermectin による治療を行う、大規模な公衆衛生活動が行われている。5000万人以上がこの治療を受けた。ウガンダ北部の Gulu district の衛生当局者は、nodding disease は、2008年にAwere villageでも報告されていたと述べた。Gulu,Kitgum, and Pader の調査に訪れた保健省のチームは、これらの地区を流れる、 Pager, Lakankodi, Adinga, Lanyalyang, and Anyuka の5つの川沿いの住民にもっとも多く見られることを発見した...2008年12月の調査では、タンザニアでは1960年代から "seizure disorder" が報告されており、オンコセルカ症との関連性に興味が持たれる "syndrome" として治療されていたと考えられると推定された。2009年6月の、ウガンダを含むアフリカ8カ国の研究のレビューでは、河川盲目症とけいれんの統計を比較し、オンコセルカ症が10%増加するごとに、痙攣の発生率が0.4%増加していることを見出した。2つの疾患の間には、密接な疫学的関連性が認められると著者は報告している。the PLOS Neglected Tropical Diseases journal 誌に掲載されたこの報告で、 onchocerciasis は "river epilepsy." と呼んでも良いのではないかと提案している... [Mod.MPP注-Kitgum district で nodding disease が発生したことにより、この地域内での感染拡大がより進んだと見られる。スーダンでの報告は1980年代まで遡ることができ、ウガンダとタンザニアでも報告され、オンコセルカ症と痙攣との関連性については、1990年代から研究が行われている。スーダンにおけるWHOの研究報告で、状況証拠から両者に関連性があると示唆されている;内容紹介、原文参照願います;文献紹介 多数] [Mod.JFW注-Kitgumでnodding disease の症状のある患者が逸話的に紹介されるようになったのは20年前からだが、戦乱のため詳しく調べられることなく、症例数が増え続けた。この地域に深刻なオンコセルカ症が発生していることが判明したのは、2009年3月になってからのことで、Amida, Akwang, Layamo, Palabek Gem, Kitgum Matidi, Palabek Ogili, and Mucwini の地域で、高率に感染していることが分かった。地方感染のある地域の、15歳以下の小児の60%近くが、オンコセルカ症に感染していることが、調査で明らかになった。the nodding disease と onchocerciasis の関連については、ぜひとも解明されなければならない。それが適切な対応策を始める手がかりとなるに違いない。しかし、現時点での対策は痙攣の治療とオンコセルカ症対策に対象を定める必要がある。Community-directed treatment with ivermectin (CDTI コミュニティー単位のイベルメクチン治療) が、the African Program for Onchocerciasis control (APOC) http://www.who.int/apoc/en/index.html の基本戦略となっている。この対策は、the black fly larvae(幼虫)を保有するthe water crabsの駆除剤 acaricides を用いた、河川への薬物散布と平行して実施しなければならない] 地図 Kitgum district in Northern Uganda http://www.coetzee-uganda.com/index_files/District_Map_of_Uganda.htm |
原文リンク |