感染症速報詳細

記事日付 20090820
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-オーストラリア:(ビクトリア) ブタ、動物衛生(02)
国名 オーストラリア    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 豪で、2か所目の豚舎隔離される
2nd Aussie piggery quarantined
和文 http://www.straitstimes.com/Breaking%2BNews/World/Story/STIStory_418778.html
豚インフルエンザウイルスによる死者が121人に達する中、09日に豚インフルエンザ感染発生を理由に、オーストラリアで2か所目となる豚舎の隔離が行われた。ビクトリアVistoria州の養豚場は、biosecurity lockdown を指示された。ウイルスが変異し、より強力な形でヒトに蔓延することへの懸念が広がっている。New South Wales state では、別の養豚場が、7月後半以降隔離閉鎖されているが、当局によるとほとんどのブタが治癒している。ビクトリア州の農業当局責任者は、今週はじめに養豚場の所有者から、ブタの食欲が落ちているとの報告を受け、この養豚場で検査を行ったところ、インフルエンザが確認されたと説明した。これは、ヒトへの健康の影響の問題ではなく、国内外の食品当局も、豚肉の摂取は安全だとしている点を強調したい、と述べた。報道によると、ブタは、ヒトのインフルエンザに感染していた農場の作業員から、このウイルスに感染したと考えられている。医療の専門家らは、感染が広がりやすいものの比較的軽症である、ヒトに感染している豚インフルエンザウイルスが、他の動物の体内で変異し、より毒性の強い型に変わることを恐れている。オーストラリア国内で豚インフルエンザに感染した人は32224人となり、このうち460人が入院となり、うち100人は集中治療室に入院している。ヒトへのワクチン接種も試験的に行われ、2009年10月には、すべての国民 the entire population に対する集団接種が開始される予定になっている。
[Mod.TG注-New South Wales(NSW)の経験からすると、これらのブタも回復するものと思われるが、ブタの感染源が、インフルエンザに感染した作業員であることが判明した。豚肉の摂食によるヒトへの危険はない。また、現在のウイルスは、ブタからヒトへの感染についても、心配ない。しかし、ヒトからブタへは感染した。メディアは、この養豚業者が、"swine flu" を感染させたとして、厳しい論調で攻め立てた。ブタへの感染源は、どれだけ多くのヒトがこのことを理解するかによって、かなり取り除くことができる]
[Mod.AS注-オーストラリアのブタで初めてのインフルエンザ感染流行は、NSWにおいて、2009年7月24日にはじまり、8月13日には終結が宣言されている。政府当局はOIEに対して、以下のような重要なコメントを提出している: "Sequencing of the HA gene yielded partial fragments, which showed 99 percent homology to the Auckland/1/2009 reference strain of pandemic influenza A/H1N1 2009. ブタでの感染流行の前に、インフルエンザ様疾患を発症していた養豚場の関係者は、 pandemic influenza A/H1N1 2009に感染していたことが確認された"。
このことは、ブタがヒトのウイルス感染患者から感染したとの仮説を支持する。カナダの養豚場でおきた'influenza pandemic (H1N1) 2009 virus'アウトブレイクの報告では、同じ結果は得られなかった]

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