感染症速報詳細

記事日付 20090903
タイトル ヘンドラウイルス-オーストラリア:(04) クイーンズランドQL、ヒト、ウマ 死亡 20090903.3098
国名 オーストラリア    
感染症名 ヘンドラウイルス
概要 獣医師が死亡、ヘンドラウイルスへの注意喚起行われる
Vet's death sparks fresh Hendra warning
和文 http://www.abc.net.au/news/stories/2009/09/02/2673976.htm
ウマの所有者と獣医学関係者らに対して、改めてヘンドラウイルス the Hendra virus への注意が呼びかけられている。1日、中央部クイーンズランド Queensland QL州で獣医師1人が死亡した。ブリスベン Brisbane's Princess Alexandra Hospitalで死亡したこの獣医師は8月、ロックハンプトン Rockhampton の東にある、Cawarral propertyでウイルスに感染したウマの治療中に感染したと考えられている。医師の車内には防護服が積まれていたが、ウマの死亡がヘビ咬傷によるものと信じ、着用しなかった。ウマは、その後の検査でヘンドラウイルス陽性となった。ブリスベンの病院で抗ウイルス薬による治療を受けていた、この農場のスタッフら3人は、その後退院した。QL当局によると、1994年以降ヘンドラウイルスに感染したのは7人で、この獣医師は感染による4人目の死者となった...
[Mod.TG注-獣医師は、ヘンドラウイルス感染のハイリスクグループである。診断ミスが獣医師の生命を奪ったことは、非常に残念である。獣医師らは本来非常に面倒見がよく、注意と敬意をもって患者に接する傾向にあり、感染防御装備が、すでに病気や怪我をした動物を驚かせてしまうと考えることが多い。われわれよりも大型の動物が興奮すれば、驚かせることはすなわち危険であり、意図的でないとしても、われわれ人間が怪我をする可能性がある。Hendra virus (旧名equine morbillivirus) は、パラミクソウイルス科のウイルスである。1994年にオーストラリア・Brisbane郊外のHendraのウマとヒトで発生した、呼吸器と神経の病気の集団発生で採取された検体から、初めて確認された。オーストラリアにおいては、ヘンドラウイルス感染馬の体液や分泌液に暴露して、ヒトは感染する。インフルエンザウイルス感染症状に似るが、進行性の脳炎も発生することがある。in vitroで、ribavirin という薬剤がヘンドラウイルスに対して有効であることが確認されており、今回のアウトブレイクでも、他の薬剤と併用されている。併用療法であったのか、抗ウイルス薬単独であったかは分からないが、治療を受けた患者らは生存している。しかし、併用療法を受けた患者らは、非常に気分が悪くなるとの報告がある。様々な未解決の部分があり、これからも多くの研究が必要だが、ウイルスの安全な取り扱いには、 BSL-4 laboratories が必要であり、研究者らもprotection が必須である]
出典 http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/spb/mnpages/dispages/nipah.htm

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