感染症速報詳細

記事日付 20090909
タイトル Q熱-オランダ:(07)
国名 オランダ    
感染症名 Q熱
概要 パンデミックインフルエンザより多数の死者が出ているQ熱に注目すべき
和文 http://www.nrc.nl/international/article2346258.ece/Q-fever_is_killing_more_people_than_Mexican_flu
オランダですでに5人の死者が発生しているQ熱について、複数の専門家らは、国内の死者が2人に留まっているパンデミックインフルエンザと比較して、十分な注意が向けられていないと指摘した。慢性の心臓障害を残すこともあるQ熱に対する沈黙は間違っていると、専門家らは指摘している。農業や観光業を守るために、もみ消されているといわれても仕方がない"と、医学部名誉教授は述べた。HIV陽性者や化学療法中の患者など、特に抵抗性の低い患者らに対して、情報を明らかにすべきだと述べた。教授自身、南部North Brabant州への自転車旅行を取りやめたという。この地域には、当局がQ熱の感染源としている、多数のヒツジやヤギが群れを成している。この疾患は、2007年に初めて登場したが、農業省もよると、2009年末まで、どの農場でも感染が発生する可能性がある(どの農場で発生するかは正確にはわからない)としている。豚コレラや口蹄疫のような方法で、農場内の全数処分を行うことは予定されていない。当局は感染が発生した農場名を公表しない代わりに、各農家に対して疾患清浄化対策を明らかにするよう求めることにしている。この細菌の芽胞は長期間生存可能であり、風で運ばれる。このような継続性を理由に、米CDCは生物兵器やテロの手段として用いられる可能性があるとしている。これまで、Q熱の発生の唯一の指標は、ヤギやヒツジの自然流産発生数の異常高値だけとされてきた。このような事態があればすかさず農場の調査が行われた。しかし、今は多くの農場で発生している。農場からのミルクに対する、新しい細菌検査によって、さらに100ヶ所以上の農場の感染発生が判明することが期待されている。保健省は、ワクチン接種の義務化、肥料の精製方法の監視、動物の移動のチェックなどによる対策に期待を寄せている。
[Mod.LL注-この投稿の中で抜け落ちている大きな1つのポイントは、インフルエンザはヒト-ヒト感染によって大流行するが、Q熱はヒトからヒトには感染しないという点である]

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