記事日付 | 20090911 |
タイトル | ダニ媒介性脳炎-デンマーク:(ZEALAND SL)、初めての報告 20090910.3195 |
国名 | デンマーク   |
感染症名 | ダニ媒介性脳炎 |
概要 | デンマークでは初めてとなる、ダニ媒介性脳炎患者確認 |
和文 | http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19325 8月、ボーンホルム Bornholm 島以外のデンマークとしては初めての、ダニ媒介性脳炎が確認された... スカンジナビア Scandinavia 地域では、tick-borne encephalitis (TBE ダニ媒介性脳炎) の発生数が増加しており、発生地域も拡大しつつある。デンマーク北部Zealandでの2例のダニ刺咬後の入院患者が発生し、急性期の血清検査で、抗tick-borne encephalitis virus (TBEV ダニ媒介性脳炎ウイルス)特異IgGおよびIgM抗体が検出され、同地域内でRT-PCR法によりウイルスが同定された。ボーンホルム島 Bornholm island以外のデンマークにおいて、_Ixodes ricinus_(ダニ)のTBEV が発見され、患者が発生したのは初めてのことであった...以下、背景、患者とウイルス学的解析、環境調査(原文参照願います)。 討論 今回、ボーホルム島以外のデンマークで初めての2例のTBE患者が発生した。同じ地域内で採取された_I. ricinus_ nymphs(若虫)でTBEV complexも確認され、この時期に患者に感染伝播したことが確認された。いずれの患者にも、典型的な2相性の病期が認められた;すなわち、現行のインフルエンザA(H1N1)vウイルスと間違われやすいインフルエンザ様症状で発病し、次いで髄膜脳炎発症後に神経学的兆候 neurological sequelae (めまい、倦怠感) が発生した。急性期の血清中に抗TBEIgGおよびM抗体が検出されている。2008年の患者については、およそ1年後の回復期の血清を入手することができており、予想通りIgGは陽性で、IgMは陰性化している。定量的ELISA検査による中和抗体は陽性であった。中和抗体の発現までには長期間を要するため、急性期には存在しないのが通例である。欧州においてTBEの発生範囲は拡大するものと考えられており、ノロジカ roe deer での血清学的調査から、デンマークへの感染拡大も予測されていた...2008年と2009年に2例の患者が確認されたことから、TBEVは長期間気づかれないまま存在していたものと考えられる。デンマークの法律ではTBEに報告義務はないが、TBEV の診断は、the Department of Virology at Statens Serum Institutに限られており、これらの症例以前に、デンマーク国内で、ボーンホルム島以外ではTBE患者が確認されていなかった。組織的なダニの捕獲作業を進めており、現在までのところ、Zealandの、可能性があると見られる2か所のうちの1か所で確認されているだけである。PCR検査法は、TBEV complex に特異的ではあるが、さらにダニから分離されたウイルスを培養または増幅し、確定および分子疫学的検査を進めている... [Mod.CP注- TBEの原因となるダニ媒介性脳炎ウイルスは3種類ある: Western European TBE virus, Far Eastern TBE virus and Siberian TBE virus。Western European TBE (または Central European encephalitis) は、西欧-中欧各国に地方感染し、その範囲が拡大しつつある。オーストリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、チェコ、素ロバ吉良、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スイス、ロシア西部、ウクライナ、ベラルーシ、クロアチア、スロベニアの森林および山岳地方には、特に多い。より発生が少ないのは、デンマーク、フランス、リヒテンシュタイン、イタリア、ノルウェー、オーランド諸島Aland archipelago とそのフィンランド側沿岸部、スウェーデン南部の沿岸地方(from Uppsala to Karlshamn)である。春の終わり頃から初秋にかけて、毎年数千人のTBE患者が発生し、西欧諸国では、過去5年間[200-2005]に年平均3000人以上の患者を記録している。このタイプのTBEは、_I. ricinus_が伝播し、従って主要な保有動物である voles とダニの数が増える時期(5月から6月と、9月から10月)に一致して流行することが多い。2006年半ばの時点で、the British Isles(英国内)ではTBEの症例が報告されたことはないが、England, Wales or Northern Ireland に、診断もしくは報告されていない輸入感染例がいる可能性がある。TBEに対する予防接種は、地方感染地域の住民にとって、最も効果的な予防対策と考えられる。オーストリアでは1982年以降、全国的な予防接種キャンペーンに採用されていて、毎年続けられている。中欧諸国でも広くTBEワクチン接種が行われている。これらの地域への旅行者にとっても考慮すべきワクチンである] 詳細な情報 Nathnac website http://www.nathnac.org/pro/factsheets/tick_borne.htm |
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